うつ病 機械による客観的診断&治療が可能に!唾液診断も!

      2013/11/05

Business Journalの記事にうつ病の客観的診断、治療が可能にという記事がありました。

「うつ病」はストレス社会の現代病ともいわれ、診断される人もとても増えているといいますが、他の病気と異なり、検査でこういったものが見つかったからうつ病ですと言われるものでもなく、診断方法といえば、医師の主観によるものであること、それがゆえに心の持ち様、根性が足りないなどといった偏見があるともいわれています。

 

治す! うつ病、最新治療 ──薬づけからの脱却

うつ病の多くは、脳内で明らかに健常者とは違う脳内物質のバランスの崩れや、活性化しないはずの部位が活性化していたりするようなのですが、その病態を実際に見て、確証が欲しいという声に応えるように、さまざまな機材や試験薬の研究が重ねられているといいます。

 

実際に数値や画像などで「病気である」という確証が得られないが、苦しい状態が続く方にとって、診断や治療に客観的な結果の出る測定機器が用いられるようになってきているというのは朗報ですね。

 

●精神科医の面談による診断から客観的な結果へ

 

うつ病は精神科医の面談により診断するというのが一般的ではありますが、最近では客観的診断を助ける下記のようなものが評判だといいます。

 

・光トポグラフィーによるうつ病の画像診断

 

原理は比較的単純で、うつ病患者によくある特徴を画像診断で「見える化」するというもの。
うつ病は健常者と比べると、前頭前野の血流量の変化に違いが見られるということに着目し、血流量の変化を計ることで診断するのだといいます。

 

この装置は、その名の通り光を使いその反射光で診断するそうです。
光を頭皮にあてても中に通らないと思われそうですが、頭蓋骨の上から近赤外線つまり光をビームにして照射すると1%くらいが頭蓋骨を透過し、脳の表面1~2センチくらいで光は反射して、その1%ほどが頭蓋骨を透過して出てくることがわかっており、この微量の反射光を精密なセンサーで測定することで、光が脳を透過する間の血流量がわかるというしくみなのだとか。
もちろん害はなく、原理自体は書くと簡単ですが、実際はかなり高度な技術であり、機械も高額だといいます。

 

診断料も保険は適用できず、1万円以上かかってしまい、頻繁に使うというほど簡便ではないのも難点なようです。

 

また、この機械診断と共に、うつ病の治療機械も開発されているそうで、経頭蓋磁気刺激という方法で、前頭前野の血流量を磁気刺激で改善しようというものです。

 

これらを組み合わせ、うつ病は光トポグラフィーで診断して、経頭蓋磁気刺激で治療するという流れが考えられます。実際に、脳に磁気刺激をして症状が改善している患者さんも見られるそうです。

 

しかし、機械の精度や信頼性は、まだ万人に対応できるほどには達していません。画像は鮮明とはいい難く、ラフな診断しかできず、漏れも多いのです。心の病気というのは一筋縄ではいきません。
実際に磁気刺激治療が全然効かない人も多く、簡単に機械診断・機械治療にシフトはできないということです。

 

・唾液から、うつ病診断が可能になる

 

唾液からストレスにまつわる分泌物を調べ、それを数値化するというものです。

 

身体ストレスの負荷が高いと、脳が非常事態警報を発して副腎皮質からコルチゾールというホルモンの分泌が促されますので、採血してコルチゾールの血中濃度を計ればストレス数値としてわかりやすいですが、採血の手間がかかるのが難点。

 

近年、コルチゾール血中濃度は唾液中のコルチゾールに反映されることがわかってきたので、ガムをかむような要領で唾液採取用のスポンジに唾液を染み込ませるだけで検査が可能となったそうです。これなら痛みも伴わないし楽というわけですね。

 

もう一つ、唾液でストレス状態を調べる方法があります。

 

それは「クロモグラニンA」という物質を測定するのですが、この物質は副腎髄質から放出されるアドレナリンの量と関係しているそうです。
アドレナリンは精神的ストレスの程度と関係が深い物質で、以前から
注目されていたものの、代謝が早く、刻々と濃度が変化することや、採血のときの痛み刺激だけでも濃度が変化するので測定が難しく、有効な数値はなかなか出せなかったとのこと。

 

しかし、唾液中のクロモグラニンAという物質は、比較的安定で副腎髄質からアドレナリンと一緒に放出されるので、アドレナリンの濃度そのものよりアドレナリンがどのくらい出ていたか、ある意味、興奮やストレスの蓄積状態を示し、転じてストレスの度合いを推し量りやすいといいます。

 

そして現在、いくつかの病院で行うことができる検査として、グロモグラニンAをはじめ数種類のうつ病と因果関係のある成分を分析、数値化することができるようになってきています。
あくまでストレス状態を数値化するだけのもので、うつ病診断にそのまま使えるわけではありませんが、費用も5000円以下で、何よりも唾液を採取するだけなので、痛みもありません。

 

まだ取り扱っている病院は少ないので、診断を受けたい場合は、最寄りの病院に事前に問い合わせてみるといいとのことです。
(中川晶/なかがわ中之島クリニック院長)

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