怪我続出!メドベデワ、羽生不在 グランプリファイナル2017

   

国際スケート連盟が開催するグランプリシリーズ、ジュニアグランプリシリーズの結果により、各カテゴリーのそれぞれ上位6名(組)が出場権を得て、シーズンの覇者を決定する競技会ISUグランプリファイナル。

2017年、今年は12月7~9日に愛知県名古屋市の日本ガイシホールで行われる。

日本からは宇野昌磨、樋口新葉、繰り上げにより宮原知子が出場する。

オリンピックでのメダルの行方を占う意味でも大事な試合と言える今大会だが、金メダルの最有力候補と言われている昨季世界女王、ロシアのエフゲニア・メドベージェワが怪我の為、欠場、男子も金博洋(中国)が欠場し、繰り上げによりジェーソン・ブラウン(米国)が出場となった。

平昌五輪を控えた今シーズン、怪我をした選手が目立つ。

メドベデワは右足中足骨の亀裂骨折、羽生は右足関節外側靱帯(じんたい)の損傷と、世界女王、王者二人が不在のGPファイナルとなる。

ファイナル進出が決まっていたボーヤンジンも両足の捻挫により欠場、他にも先日のアメリカ大会でアシュリー・ワグナー選手が試合の前から右足首の感染症を患っていたとのことで、十分な練習が出来ていない中での出場だったようで試合を途中棄権している。

目標は全米選手権であるため、これ以上のリスクを冒したくなかったというコメントが発表されている。

どの選手も最終的に目指す所は平昌五輪。その前に自国での代表に選ばれる結果を残さなくてはならない。

グランプリファイナルシングル出場選手は以下の通り。

【男子】

宇野昌磨、ネイサン・チェン、ミハイル・コリヤダ
セルゲイ・ボロノフ、アダム・リッポン、ジェーソン・ブラウン(金博洋欠場により繰り上げ)

【女子】

カロリーナ・コストナー、アリーナ・ザギトワ、ケイトリン・オズモンド、マリア・ソツコワ、樋口新葉、
宮原知子(エフゲニア・メドベージェワ欠場により繰り上げ)

 

怪我の羽生結弦の復帰時期は?性格は?

怪我の時の様子

世界最高得点ショート

羽生は11月に出場を予定していたGPシリーズ第4戦NHK杯の練習の際に、4回転ルッツを跳んで転倒した際に負傷した羽生は右足関節外側靱帯(じんたい)を損傷した。

これにより現在4連覇中のGPファイナル進出の可能性は消滅、その後羽生は日本スケート連盟を通じ、医師の最終判断で欠場することになったことや、今後、治療に専念し、全日本(選手権)に向けて頑張るというコメントを発表している。

現在羽生は、11月中旬に拠点としているトロントに帰国し、今月21日から東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開催される全日本選手権での復帰を目指していると言われているが、実際の復帰はいつ頃になるのだろうか。

 

復帰時期は全日本選手権か?

羽生は全治の期間を公表しておらず、具体的な事ははっきりしていないが、全日本選手権は平昌五輪(来年2月)の代表最終選考会を兼ねている重要な大会であることから、現段階では五輪代表最終選考会の全日本選手権での復帰に照準を合わせる意向を発表している。

しかし、全日本に出場出来るのかという点以上に気になるのは、怪我の回復具合だろう。

怪我の状態によっては、五輪に向けた調整や戦い方に影響が出てくるのではという事が心配されている。

ネット上のファンからは昌五輪に向けて無理をしてほしくないという声が多く聞かれる。

では羽生は全日本選手権に出場しないと五輪に出場出来ないのだろうか。

今年6月に発表されたフィギュア五輪の選考基準はこうだ。

男子は全日本選手権の優勝者、2人目は全日本2、3位、GPファイナル出場者上位2人から。3人目は2人目から漏れた選手、世界ランク日本人上位3人、シーズンランク日本人上位3人、シーズンベストスコア日本人上位3人の中から選考する」となっている。

※女子も全日本の優勝者と2人目は全日本2、3位、GPファイナル出場の日本人上位2人、世界ランク上位3人、シーズンランク上位3人、シーズンベストスコア上位3人から総合的に判断するとされている。

前回ソチ五輪の選考基準と違うのは、男子3人目、女子2人目で、3年分の成績で算出される世界ランキングに加え、今季のみの成績も考慮されることになった点だ。

今季、ジュニアからシニアに上がった選手も同じスタートラインに立って欲しいという思いがあるという。

この基準にそって、羽生が仮に全日本に出場出来なかった場合、どうなるのか。

日本男子フィギュアでの五輪出場枠は3人で、全日本選手権で優勝すれば自動的に出場権を獲得できるが、欠場した場合、これには該当しなくなる。

しかし、羽生選手の場合は今年出場した大会の記録もシーズンベストスコアが上位3人の中に入っていることや、世界ランキング(2017.11.27現在)をみても現在1位であることを考えれば、ムリを押
して全日本に出場しなくても、代表に選ばれる確率は非常に高いと思われる。

仮に全日本選手権に間に合わず欠場となった場合も、実績のある羽生は日本スケート連盟の定める選考基準により五輪出場に支障はほぼないと言われているだけに、とにかく今は怪我の回復を最優先させて欲しいという意見が多く聞かれる。

しかし今の段階でははっきりした結論は発表されていない。

 

オーサー氏も心配する羽生結弦のストイックな性格

11月に行われたGPシリーズ日本大会のNHK杯。

練習中に羽生が怪我をしてしまったNHK杯にコーチであるブライアン・オーサー氏は帯同していなかった。

オーサーコーチは10月下旬に胆のうの緊急手術のため入院し、当初はNHK杯に間に合う予定だったが、不運にも合流前に羽生がケガをしてしまったという。

しかし羽生が怪我をしてしまったという知らせを受けたオーサーコーチの反応は意外なものだったという。スケート連盟の関係者によれば、もちろん(怪我をしたことに)驚いてはいたものの、胸を撫で下ろし、ホッとしていたと言われている。

オーサーコーチは羽生のストイックさゆえの身体への大きな負担を心配してという気持ちがあったようだ。

羽生は昨年の4月にも、左足リスフラン関節靭帯をケガしているが、これもハードワークや過密な試合をこなしたからだと言われている。

一見、華麗に見えるその演技の裏の努力は人一倍といわれ、身体への負担が大きい事から、もともとオーサーコーチは4回転ルッツを跳ぶことに反対だったという。

そもそも羽生はすでに4回転トーループ、サルコウ、ループを習得しており、3アクセルジャンプも安定している。さらにジャンプの直前に難易度の高いステップなどを取り入れており、ジャンプ自体の質も良く、成功すれば大きな加点を得られる演技が出来る。

つまり現在のジャンプやスケーティングスキルで充分戦える選手でもある。

それを裏付ける試合が、今季9月に行われたオータムクラシックのショートの演技だ。

この試合では足の負担を考えて4回転ルッツやループといった難易度の高いジャンプを回避し、プログラムに入れていなかったが、それでも世界最高得点を叩き出している。

リスクを背負いながら4回転ルッツを入れなくても十分に勝てる可能性を示唆している。オーサーコーチとしてはリスクを負って新たな高難度なジャンプを増やさなくても充分戦えるという思いもあるのだろう。

実際、スケーターの中にはアメリカのジェイソン・ブラウンやウズベキスタンのミーシャ・ジーなど4回転を無理にプログラムへ組み入れずに優れたスケーティングスキルで安定して高得点を保っている選手もいる。

どんな戦い方を選択するか、それも戦略の一つだと思うが、これまでの羽生の戦い方をみれば、それで満足しない、攻め続けるのが羽生なのだろう。

羽生が4回転ジャンプの種類を増やすことに拘る理由に、ここ数年、急速に4回転を数種類跳ぶ選手が増えてきたことが挙げられる。

ジュニアの試合でも4回転ジャンプを2種類以上跳ぶ選手も少なくない中、宇野やアメリカのネイサン・チェンは、すでに4種類の4回転ジャンプを試合で成功させているなど、羽生の闘争心に火をつけたことは間違いない。

しかしその演技の代償とも言えるのが、故障や怪我のリスクだろう。

6種類すべてのジャンプは右足着氷のため、着氷のたびに痛みが生じやすく、それを一つの演技で複数回跳ぶということは足に相当な負担がかかる。

痛みが生じ足首が腫れれば硬いスケート靴を履くのも困難となるという。又、肩の脱臼と同様、足首をひねるのは癖になりやすいともいわれている。

オーサー氏が羽生の怪我に胸を撫で下ろしたのは、少しでも身体を休ませることができると安堵したのではないかといわれている。

そして練習量をいつもより落としたり、ケガのリスクの高いジャンプを削った構成に落ち着かせることができるのでは、と思ったのではと考えられている。

4回転を跳ぶことによって、ケガをする可能性も間違いなく上がるといわれており、ケガが選手生命に関わるようでは、元も子もない。

前大会の金メダリストとして、1つでも多くの4回転ジャンプを跳んで圧倒的に勝つ。どこまでも高みを目指す姿はアスリートの鑑とも言えるかもしれないが、演技の難易度が上がれば、リスクも増えるということは考えなければならない。

平昌五輪までにどのような決断を出すのか気になるところだ。

 

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