フリースタイルスキー女子モーグルが6日、一回目の予選を終え、ソチで5度目の五輪出場となる上村愛子選手が7位で準々決勝進出を決めました。
予選の滑りを終えた後、集中して望めたと語る上村。
エアは水平1回転ヘリコプターと後方1回宙返りのバックフリップでまとめ、4番目に速いタイムで通過しましたが、連覇を目指すトップ通過のハナ・カーニー(米国)には約2点離されました。
ハナ・カーニー選手はバンクーバー五輪で金メダルを獲得、ワールドカップ(W杯)では通算39勝のまさに金メダル候補の選手ですね。
メダルを獲得するには、ぜひ彼女の点数に迫っておきたいところ。
サンケイスポーツの取材に、上村選手はこのように話しています。
「五輪の今までのコースは気持ちよく滑ることができたけど、今回は難しいものを作ったんだなぁ、と。楽しいコースなんだろうなと思っていたら、かなり難しい」と、最年長で挑戦する経験豊富な上村選手にとってもこのコースはかなり難易度が高そうですね。
素人目に競技を見ていても選手たちが苦労している様子を感じますが、今回、人工雪を多く含むため硬く、又こぶの高さにもばらつきがあり、起伏があるためスピードが出にくいといわれています。
上村選手の持ち味である「ターンは減速せず直線的に滑る」という滑りがしにくいコースで、上村自身も「コブがころころ変わる。同じリズムでは滑ることができない」と分析、「抑えようとすると飛ばされ、アタックし過ぎるとはじかれる」と感じて望んだ予選。
それが故、バランスも重視し、得意のターンも大きな乱れはありませんでしたが、スコアが伸び悩んだ部分もあるようです。
又、最近はトップで通過したカーニーらが持ち味とする「縦に滑りながら板を少し横に滑らせる」形が評価されることが多いといわれていますので、上村選手としては、決勝に向けて「全体的にもう1、2ランク上げたい」と言うように、決勝で上積みの余地はあるといいます。
しかし、一回目の予選で通過できたことは、選手にとっては決勝3本の滑りに集中できる結果となり、プラス材料となりましたので、ぜひ頑張ってもらいたいですね。
そんな上村選手を含めて日本からは4名の選手が出場する予定でしたが、伊藤みき選手(26)が、直前の公式練習で第2エアの着地時に、昨年12月に前十字靱帯(じんたい)損傷の大けがを負っていた右膝を再び痛め、自力で立てず、救急車で宿舎に搬送され、けがの回復具合を見て、出場の可否を決断するといわれている状況です。
又、一回目の予選を滑り、準々決勝進出がならなかった星野選手と村田選手は、予選2回目に回ることになりました。
朝日新聞の記事で各選手のコメントを伝えています。
星野選手「点数が出なかった。第1エアを失敗し、細かいミスで引かれた。まとまり過ぎたらつまらないので、第2エアは大きく飛びたいと思った。(予選2回目は)滑りを修正して臨む」
村田選手「自分のベストの滑りはできなかった。(エアの)フルツイストは良かったが、第1エアの着地部分は深くて硬い。次は抑えてうまく滑れるようにしたいし、(エアの)入りも気をつけたい」
又、NHKニュースによれば、伊藤選手の2回目の予選に出場するかどうかについて、フリースタイルの林辰男監督は6日夜、「難しい状況であることには間違いない。出場するかどうかは、本人とコーチと医師が協議して決めることになっているが、結論はまだ聞いていない」と話したといいます。
そのうえで、林監督は判断はぎりぎりまで待てるとして、8日の午後6時(日本時間の午後11時)から行われる2回目の予選の直前までに。出場するかどうかを判断すればよいという認識を明らかにしました。
伊藤選手の状況は心配ですが、星野、村田両選手にはぜひ予選2回目で決勝に進出してもらいたいですね。