女子フィギュア ソチ五輪で金メダルの本命は?

ソチ五輪も折り返しに入り、19日からいよいよ女子フィギュアシングルの競技が始まります。

男子のメダル争いにも増してメダルの行方が読みにくくなっているのが女子シングル。

 

団体戦で見せたロシアのリプニツカヤ、イタリアのコストナーなどの演技は、実際に日本の浅田真央が一つのジャンプをミスしただけでも逆転されてしまったように、少しのミスが順位を大幅に落とすような僅差の戦いになることを改めて見せつけられたようにも感じます。

 

実際には技術力だけではなく他の要素も入りますし、SPの差というのは実力のある選手であれば、SPに比べ、ジャンプの回数も多く、演技時間も長いフリーの演技で挽回は可能かもしれません。

 

それに加えてロシアの選手は、地元の歓声と言う後押しも加わって、強い選手は良い演技をすればさらに得点が伸びる状況にありますので、油断は出来ませんね。

 

ここで女子シングルの注目選手を改めてチェックしてみると、連覇のかかる韓国のキム・ヨナ、浅田真央に加えて、今季メキメキと力をつけている地元ロシアのリプニツカヤとソトニコワ、全米選手権でワグナーを破り、優勝したゴールドや先日の団体戦で浅田の点数を上回ったコストナーなどは有力なメダル候補になると思われます。

 

浅田真央 夢の軌跡~ドリームのきせき~

特に大会開幕前にはキム・ヨナと浅田真央二人の争いが予想された女子フィギュアでしたが、先日の団体戦でのリプニツカヤの圧倒的な演技をみて、キム・ヨナとリフニツカヤの競争構図に再編される雰囲気があるといいます。

 

サンスポの記事によると、英大手ウィリアムヒルの13日午前のオッズは、15歳の新星ユリア・リプニツカヤ(ロシア)が2.00倍で大本命だといい、キム・ヨナが2.25倍で続き、浅田真央は5.50倍の3番手だといいます。
(ちなみに村上佳菜子は34.00倍、鈴木明子は41.00倍)英スカイベットでは、キム・ヨナが1.1倍で1位、リプニツカヤが1.5倍で2番手。浅田は4.5倍と、こちらでも3番目になっています。

 

米国のニューヨーク・タイムズでも「リプニツカヤとアデリナ・ソトニコワの二人がロシアの女子フィギュア復活を率いている」と報じるとともに、1998年の長野五輪金メダリスト、自国のタラ・リピンスキーを引き合いに出し「リプニツカヤはソチ五輪でサプライズの主人公になるかもしれない」とも書いています。

 

注目のリプニツカヤは団体戦女子シングルのフリーで141.51点を出し1位になりましたが、前日のショートプログラム(SP)での得点72.90点を加えると、合計214.41点を獲得しており、先月の欧州選手権で出した自己最高記録の209.72点を5点近く更新しています。

 

又、注目すべきは演技構成点の伸びで、昨年12月のGPファイナルでは60.52だった点数は、先月の欧州選手権では68.00点に、ソチの団体では69.82点へと10点近く伸ばしてきており、まさに伸び盛りの選手。これに抜群のジャンプやスピンなどで高得点を出せる選手であることを考えると、ロシアが国を挙げ、力を入れて育成した選手なのだと感じます。

 

そんなリプニツカヤと金メダル争いをする筆頭に挙げられるバンクーバの金メダリスト、キム・ヨナは12日深夜、ソチ国際空港に到着。
「この日を心待ちにして、良い準備をしてきた。ベストを尽くしたい」と抱負を語り、「体調はベスト。試合まで時間があるので、良い準備が出来る」と調整に自信を見せました。

 

キム・ヨナはこの大会をもって引退を表明しており、「最後の試合と思うと集中できないかもしれないので、普通の試合と思って練習してきた。出来ることは全部やってきた」と述べています。

 

現地入りしたキムは、翌日の夜の練習からリンクに姿を見せ、得意技の3回転の連続ジャンプを決め、SPの曲をかけた練習でも軽快な動きを見せており、金メダルに輝いたバンクーバー五輪に続く2度目の五輪に臨む心境について聞かれると、「ベストを尽くすが、今大会は金メダルが目標ではない。五輪を楽しみたいと思っている」と笑顔で応えたといいます。

 

そして、先日の団体戦で3アクセルに挑み、失敗してしまった浅田。
その敗因の一つに緊張がコントロールできなかった事をあげた浅田は、団体戦後に一時的にソチを離れてアルメニアの首都エレバンで調整中。

日本代表の小林芳子監督は「ソチと気温差があってリンクも寒いらしいが、練習は順調に行えていると連絡を受けている」と現況を伝えており、浅田は10日から女子SPが行われる19日の直前まで、佐藤信夫コーチと滞在するといいます。
是非この地で気持ちを切り替えて、個人戦に挑んでもらいたいですね。

 

そんな浅田選手も緊張したというソチ五輪の舞台、ロシアの大声援について質問されたキム・ヨナはこのように答えています。
「経験があるので問題ない。私の演技になれば、世界中の人々が見てくれる」と余裕をうかがわせたといいます。

 

浅田選手にとっても集大成と位置づけたこの五輪。
鈴木選手、村上選手と共に、悔いのない記憶に残る演技を見せて欲しいと思います。

 

  

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