タイムシフト視聴率って?TV離れは本当か?

      2017/10/19

テレビの番組やCMが、どのくらいの世帯や人々に見られているかを示すひとつの指標が「視聴率」。
視聴率が良かった、悪かったということが良く話題になるが、特にドラマは昔のほうが高視聴率番組が多かったような印象がある。

 

 

実際に、1977年以降に放送された民放テレビ局の連続ドラマの一話ごとの最高平均視聴率を調べてみると、近年ランクインしているのは、2013年の『半沢直樹』と2011年の『家政婦のミタ』ぐらいだ。

 

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ちなみにベスト10にはこのようなドラマが入っている。
(年代流行より)

1位 1983年・積木くずし(45,3%)
2位 1979年・水戸黄門第9部(43,7%)
3位 2013年・半沢直樹(42,2% )
4位 2000年・ビューティフルライフ(41,3%)
5位 1979年・熱中時代(40.0%)
5位 1979年・太陽にほえろ(40,0%)
5位 2011年・家政婦のミタ(40,0%)
8位 1980年・3年B組金八先生(39,9%)
9位 1993年・ひとつ屋根の下(37,8%)
10位 2003年・GOOD LUCK!! (37.6%)

 

懐かしいドラマが並ぶが、ベスト30まで広げて見ても、2000年以降のドラマでランクインしているのは、2001年の「HERO」、2000年の「やまとなでしこ」、2005年 「ごくせん2」の3つで、上記のベスト10に入ったドラマを含めても6つしかない。

 

例えば、今クール、13年ぶりに続編が放送されている木村拓哉主演の人気テレビドラマ『HERO』(フジテレビ)の初回放送の平均視聴率が26.5%と、今年スタートした全ドラマの中でも最高を記録したのだが(ビデオリサーチ調べ、関東地区)01年に放送された『HERO』の初回は33.4%と今回シリーズの数字を上回っているわけで、近年のほうが視聴率に苦戦しているのがわかる。

 

では、以前より「ドラマを見る層」が減ってしまったのだろうか。又は「面白いドラマがなくなってしまった」のだろうか。

 

それは、この数字だけで単純には比べられないだろう。

 

今から13年前の2001年は、まだ現在のようにネットのブロードバンド化も進んでいない上、スマートフォンもなく、テレビの影響力は今よりまだまだ強かったと思われる。
それ以前ならなお更のこと、他の娯楽が少なく、TVを見る層は多かったという事も考えられるかもしれない。

 

そう思えば、最近のドラマが高視聴率を獲得するのは、凄いことでもある。

 

しかし、このような「視聴率の調査」が始まった頃と今では、テレビの見方も大きく変わっており、高性能録画機が普及し、ドラマやアニメを時間のある時にまとめて見る人や、外出先で携帯電話のワンセグ放送を見る人も少なくない。

 

実際に、見たいと思ったドラマはオンタイムで見ることが出来なくても、録画して後から見る、又は、ドラマの続きが気になるので、録画をしておき、まとめてみることがある。
それこそ今クールの『HERO』も録画で見ている人も多いだろう。

 

ビデオリサーチの発表する視聴率は、全国27地区6600世帯の中から選んだ家庭のテレビに機械を取り付け、いつ、どのチャンネルを見ているかを計測したものであり、録画や計測の対象とならないテレビで視聴した人の数字は反映されないのだから、当然、ドラマを見た人の数は、実際はもっと多いと思われる。

 

では、実際の「番組を見た人の数」がはっきりしない視聴率というものが活用されているのはなぜなのか。

 

ダイヤモンドオンラインによると以下の様に書かれている。

 

大きな理由は、視聴率がCMを流すスポンサーのための指標だからです。スポンサーが知りたいのは、いかにCMが見られているかであり、特に録画の場合はCMを速送りする人が多いので、わざわざ数字を取る必要がないと判断されるわけです。

つまり、世に言う視聴率は「番組をCMと一緒に見た人の数」であり、決して、「番組を見た人の総数」ではないのです。このことは、業界の関係者以外には案外知られていないのではないでしょうか。

 

こういった、多くの人が当然のようにテレビ番組を録画してから視聴するといった近年の視聴スタイルの変化に対応し、録画番組の再生視聴(タイムシフト視聴)についての研究を進めてきたのがビデオリサーチだ。

 

ビデオリサーチは7月14日付のプレスリリースで、「タイムシフト視聴率(録画再生率)」を初公表し、今回そのデータの一部を公開、15年1月から本格的にデータ提供を行うべく準備中だという。

 

公開されたデータは、2014年3月31日~6月29日までの調査結果で、ビデオリサーチのサイトで確認することが出来る。
http://www.videor.co.jp/press/2014/140714_data.htm

 

昨年のNHK放送文化研究所の調べでは、録画機器の普及率は50%超。

 

録画した民放の番組を1週間に5分以上再生した人の割合も年々増え、昨年は約4割に達しているというから、リアルタイムで見ている視聴者に、録画してみているタイムシフト視聴者を加えれば、かなりの人数が見ていることになると推察できるだろう。

 

視聴率が本当に低迷しているのか、視聴者は本当にTV離れしているのか、タイムシフト視聴者が明らかになることで見方が変わってくるのかもしれない。

 

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