全米オープンの決勝で敗退したものの、日本人初の決勝進出を果たした錦織圭。
これによって錦織の世界ランクは11位から8位へ浮上し、今年5月の9位以来、自身2度目のトップ10入りを果たした。
このトップ10に入るということは、錦織にとって大きな意味があるという。
日刊ゲンダイによれば、
「世界中で行われるテニスの大会は、出場義務のある試合を除き、ランキング上位者が出場したい試合を選び、その希望に沿って出場選手が割り振られるのが一般的です。ランキング上位であればあるほど、自分の思い通りに日程が組みやすくなりますし、対戦したくない相手を避けることも可能になるのです」
と優先的に出場試合を選べるようになるのだという。
同じトップ10でも、8位と9位には大きな差があるといい、8位になると上位8シードに組み込まれる為、準々決勝までは格上選手との対戦がないという。
第9シードでは大きな大会で4回戦から上位選手との戦いを強いられるから、これも大きなメリットだ。
出場選手が多い4大大会でも優遇されるのだという。
ランキングは毎週月曜日に変更される為、8位以上をキープすることが、4大大会制覇を実現するひとつのカギになるといえそうだ。
そして、4大大会を制覇することは日本人選手にとってもちろん快挙な事だが、その賞金も高額だ。
今年の4月末に発表されたのが、テニスの4大大会のひとつであるウィンブルドンの大会賞金総額約43億円。
優勝賞金は約3億円で、1回戦負けした選手ですら約450万円を獲得できることも公になっており、現在世界ランク8位となった錦織の場合もかなりの収入になると思われる。
●テニス選手、錦織選手の収入は?
高収入なプロスポーツはといわれると、日本では野球やサッカーという名前が挙がってきそうだが、テニスの場合も活躍している選手はかなりの収入になるという。
個人競技であるテニスは年棒制ではなく、殆どが大会の賞金とスポンサー契約料になり、そのスポンサー契約料が多いのが特長だ。
米フォーブス誌が発表したプロテニス選手長者番付(13年6月~14年6月の収入)によると、スポンサー料はグランドスラム常連のロジャー・フェデラー(33)は5200万ドル(約54億6000万円)、ラファエル・ナダル(28)は3000万ドル(約31億5000万円)だった。
錦織にしても、4月に行われたバルセロナ・オープンを含め、今季すでに2勝、13年6月~14年6月までの錦織の年収は、1100万ドル(約11億5500万円)で、そのうちスポンサー料は900万ドル(約9億4500万円)だというから、10億近い収入となっている。
そして今回の試合で準優勝を果たしたことで準優勝賞金145万ドル(約1億5000万円)を獲得、この快挙により、スポンサー契約を結ぶ「ユニクロ」のファーストリテイリングは9日、1億円の臨時ボーナス贈呈を決めている。
それらを合わせただけでも約2億5000万円になるが、今回の快進撃の「対価」はこれだけにとどまりそうにないという。
スポニチの記事によれば、(ファーストリテイリング広報によると)臨時ボーナスは契約に応じたボーナス額(非公開)とは別ものだといい、所属契約を結ぶ日清食品も「何かしらは考えていますが、錦織選手との契約上お答えすることはできない」と報奨金を検討しているとみられる。
スポーツ業界に詳しい関係者は「有名選手であれば、ツアー優勝でいくら、グランドスラムのタイトル獲得でいくらなど、状況に応じてボーナスを渡すケースはあるはず」と指摘。
スポンサー契約を結ぶ企業は8社あり、ボーナス額は合計数億円に上ることも考えられる。
又、スポンサー以外にも錦織は現在、ユニクロ、森永製菓、ジャックスの3社のCMに出演しているが、広告代理店関係者によれば、「爽やかで元気なキャラクターはターゲットを選ばない。少なくなった地上波CMも彼のおかげで増えていくと思う」と大きな期待を寄せる。
(スポニチより)
CM出演料は、男子ゴルフの石川遼(22)がピーク時に1本1億円が相場とされていたように、これに匹敵するという声もあり、4大大会ファイナリストの仲間入りを果たした錦織の価値も飛躍的に上がるとみられる。
スポンサーやCMが一気に増えれば、年収20億円を超えるかもしれない。