フィギュアスケートGPシリーズ初戦 町田2連覇達成!

フィギュアスケートのグランプリシリーズが日本時間10月25日、アメリカのシカゴで開幕した。

 

 

開幕戦は、昨年、町田が優勝したアメリカ大会。
ショート93.39点、フリー175.70点、合計269.09点で2位に34.92点と大差をつけ、圧勝で連覇を達成した。
(女子はロシアのエレーナ・ラジオノワ選手が優勝)

 

フィギュアスケート男子2 最強日本の見る夢 町田樹・羽生結弦・小塚崇彦 (カドカワ・ミニッツブック)

今シーズンから全ての種目でボーカル入り音楽が使用可能になり、初戦でもある今大会は、町田の新プログラムの初公開の場ともなった。

 

ショートプログラムは、『ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー』。浅田真央が07-08年のシーズンに世界選手権で初優勝を果たした際に使用していた曲だ。

 

そして、フリープログラムは、ベートーヴェン『交響曲第9番』。

 

誰もが良く知っているこの壮大な曲だけに、インタビューの中で「自分の120パーセント以上を出さないと形にならない。冷静に滑りたい」と語るなど、昨年以上にチャレンジした構成になっているという。

 

以前、織田との対談のなかで、町田がこの曲を選んだ経緯について、「昔からやりたかった音楽のひとつだったが、去年までの自分だったらそれが出来る自信がなかった」と話している。

 

オリンピックシーズンで自信がついた?と織田に聞かれた町田は、それもあったが、「自分の表現領域というものが徐々に確立されてきていることで、その中で出来るんじゃないかと思った」と語った。

 

フリーを滑り終わった後のインタビューでは、「後半3分ぐらいで倒れるかと思うほど、辛さとの戦いだった」と話しているが、「(観客の)歓声だけで、この苦しみを超える価値はある」とも語り、手ごたえも感じたようだ。

 

実際、町田の会心の演技に、ツイッター上では、軒並み歓喜の声が多数みられるなど、ファンからの反応も上々だ。

 

つなぎの部分を意識して、ステップに工夫を加えたという今シーズン、確かに、昨年に比べてより滑らかに、難易度も上がっているようにみえる。

 

四大陸選手権4位などの成績を収め、現在は関西大学を拠点にコーチとして活動する元フィギュアスケート選手の澤田亜紀さんは、「昨年に比べて感じることは、『スケートが伸びるな』ということです。1歩押した時に滑る距離が伸び、演技が途切れることなくつながっているなと感じました」と、昨シーズンとの違いを分析している。

 

ソチ五輪銅メダルのデニス・テン選手(カザフスタン)やグランプリファイナル優勝などのキャリアを持つジェレミー・アボット選手(アメリカ)らも出場していたが、シーズンの初戦とあって、ミスの多い選手が多かった中、町田はほとんどミスなく演技を終え、終わってみれば、2位との差は30点以上もついた。

 

シーズン初戦に見事な演技をみせた町田は、いずれ激突する羽生らに町田独特の口調で「ボールを投げることができた。羽生選手らがどう打ち返し、僕に投げ返してくるのか。勝負を受けてやるという強い思いがある」。と語りかけた。

 

日本男子フィギュアを牽引してきた織田信成や高橋大輔が引退してしまった今シーズンからは、羽生とともに日本男子フィギュアを引っ張っていく存在になりそうだ。

 

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