先日、GPシリーズが開幕し、今季のフィギュアシーズンがスタートした。
初戦のアメリカ大会では、町田樹選手が優勝を飾るなど、順調な滑り出しを見せたが、今後は第二戦のカナダ大会に小塚と無良、女子は宮原と本郷、そして、11月7日の第3戦となる中国大会に、日本のエース、羽生結弦が、田中刑事、村上佳菜子とともに出場する。
先日のアメリカ大会でも何人かの選手が取り入れていたのが、「ボーカル入りの楽曲」。
今シーズンからのルール改正により、選曲が可能となったもので、町田選手もフリーで『交響曲第9番』を使用している。
この新たなルールとともに、もうひとつ改正されたのが、選手が名前をコールされた後、演技のスタート位置に付くまでの時間だ。
国際大会では名前をコールされた後、決められた時間内にスタート位置へ着かなければならず、選手が静止すると音楽が流れ始め演技を始める。
そのスタート位置に着くまでの時間が、これまでの60秒以内から30秒以内に短縮されており、30秒以上になると減点、60秒以上だと棄権という厳しい改正がなされた。
これが羽生選手にとって、不利になるのではといった話が囁かれる。
というのも、羽生選手はこれまで約46秒かけているのだという。
具体的に46秒かけていることまでは知らなかったが、羽生が自分の名前をコールされてからの行動は、テレビなどでも演技前に映し出される為、目にしたことがある視聴者は多いだろう。
自分の名がアナウンスされるとリンクの縁に両手をつけ、1度深く屈伸する。
そして、リンクを滑り始めて、スケート靴の刃の状態を確かめるように周回し、体をひねりながら入念にジャンプのタイミングを確認すると、スピードを落として胸で十字を切るように士の字を書く。
胸の前で手を合わせて祈るような仕草をみせ、スタート位置で集中に入る。という流れだ。
競技前に十字を切るのは、ジャンプの回転軸と両肩を平行に保つ意識を確認するためであり、これらは羽生にとっては、どれひとつ欠かせないものだという。
フィギュア関係者によれば
(女性自身より)
自分の精神統一の為や、ゲン担ぎなどがあるスポーツ選手は多く、同じフィギュアスケートの小塚選手なども、演技前にはコーチに背中を擦ってもらい、最後にポンと叩く場面はよく目にする。
選手によって、様々な場面に心を落ち着かせる為の「儀式」を持っているのだろう。
羽生にとってはそれが、この演技前の集中の場面だ。
では、なぜこのようなルール改正をしたのだろうか。
この理由について、スケート関係者はこのように話している。
(女性自身より)
新ルールを聞いた瞬間『えっ!』と絶句し、明らかに困惑した様子だったという羽生選手。
体調が万全ではなく、初戦を欠場した羽生にとって、今季初戦となるGPシリーズの中国大会。
誰もが注目するソチ金メダリストの初戦は、演技前に一つ、困難を乗り越える必要がありそうだ。