中国PM2.5 発がん性を有する!日本への影響は?

今春にも良く報道されていたPM2.5。
10月17日、WHOの専門組織が「PM2.5などの大気汚染物質が発がん性を有する」と初めて認定、国際がん研究機関(IARC)は、PM2.5はアスベストや喫煙と並び、最も危険の高い「グループ1」に分類したと発表しました。

 

 

先日のニュースで、中国東北部のハルビン市で、PM2.5の濃度が、測定できる上限を超え、市内の小・中・高、全ての学校が休校になり、高速道路や空港が使用できなくなるなど、非常事態が続いていると報じられていました。
「PM2.5」の数値が1立方メートル当たり1000マイクログラムを超えたといい、これ以上の計測が不能なレベルで汚染物質が浮遊するという状況だといいます。

 

中国のPM2.5がもたらす日本への影響ですが、PM2.5濃度は季節による変動があり、例年、夏から秋にかけては比較的安定した濃度が観測されているといわれていますが注意深く見ていく必要がありそうです。

 

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 3/19号 [雑誌]

PM2.5の飛来が大きい季節としては、偏西風の影響を受ける春先ごろといわれていますが、他にも、冬季のスチーム暖房の供給が始まり、燃料となる石炭燃焼量が増えるこれからの季節は特に要注意となりそうです。

 

今回PM2.5の濃度が、測定できる上限を超えたといわれるハルビン市ですが、先月に国家環境保護部が発表した、今年8月の大気の質が最も良かった都市の7位に選ばれるなど、中国では比較的空気がきれいな都市といわれていたようです。

 

しかしロシアに隣接している都市とあって、冬はマイナス20~30℃を下回ることが珍しくなく、この時期から暖房供給施設が稼働し、室温を適切な温度に維持しているといいます。

 

ハルビン市気象台の専門家によると、10月に入ってから同市の昼夜の温度差は10℃以上となっているそうで、昼夜の温度差が大きいことと、暖房供給施設から排出される烟などの汚染物質により発生したとされています。

 

中国東北部では暖房設備として、「6階から9階建ての大規模な団地群のなかに大きな煙突のボイラーが設置」され、「熱湯か蒸気を団地の各戸に供給して冬場の暖をとる」のが一般的といいますから、これからの季節は汚染物質が発生しやすい時期だといえますね。

 

中国の大気汚染の影響が日本に及ぶ可能性について専門家によると、「年々悪化している状況から見ると、ハルビン市のような北の方から飛んでくる粒子が、偏西風に乗って、東日本や北日本の方にも飛来することはあり得る。注意深く見ていく必要があります」とのこと。

 

菅官房長官は、22日に「国内においてはですね、現時点において、PM2.5に関する顕著な数値の上昇は、観測されておりません。いずれにしろ、今後とも十分に注意をしながら、対策を講じていきたい」と述べています。

 

北京でライブ公演を行う予定だった米国の女性ジャズ歌手パティ・オースティンさんが、北京到着後にぜんそく発作をおこし、公演を中止したり、20日に行われた「北京国際マラソン」では、一部のランナーがマスクをして走るなど、様々な影響を与えているPM2.5。

 

対策が急がれる中、今日の日本経済新聞に「堀場製作所は中国の清華大学と提携し、大気や水質の汚染を防ぐための環境技術を共同開発する。まず微小粒子状物質「PM2.5」の原因物質を測定できる分析装置を開発。年内に北京市内で実証試験を始める。環境対策を急ぐ中国では、大型の投資計画や規制強化の動きが相次ぐ。環境技術に強みを持つ日本企業の商機が広がりそうだ。」と言う記事がありました。

 

ぜんそくを持っている人や、循環器系や心臓に疾患がある人は特に注意をする必要があるといわれているPM2.5、中国の対応を注意深く見守っていきたいですね。

 

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