エイズウイルスの未解明2グループ、起源はカメルーンのゴリラ

AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)を引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の数グループの株のうち、これまで起源が判明していなかった2つのグループが、カメルーン南西に生息するニシローランドゴリラに由来することを国際研究チームが突き止めたという。

 

これでAIDSの流行の主要な原因となっている4グループのHIV株について、すべて起源が判明したことになる。

 

報告によると、AIDSの流行の主要な原因となっているHIV(HIV-1)の株には、M、N、O、Pの少なくとも4グループがあり、この4グループはそれぞれ別の機会に、類人猿(サル)から人間に感染した由来がある。

 

エイズの起源

このうちのグループMとNについては、カメルーンのチンパンジーに由来することがすでに知られていたが、グループOとPの起源はこれまで不明だったという。

 

HIVの中で最も広まっているのはHIV-1グループMで、4000万人以上に及んでいる世界のHIV感染の中で最も多く、Nグループは限られた地域で20人前後が感染しているといわれる。
一方、今回ゴリラ由来であることが分かったグループPへの感染がこれまでに確認されているのは世界でわずか2人、グループOはアフリカ中部・西部で約10万人が確認されているという。

 

研究チームは、カメルーン、今後、ガボン、今後民主共和国、ウガンダで、ニシ及びヒガシローランドゴリラとマウンテンゴリラのフンを採取し、サル免疫不全ウイルス(SIV)が含まれていたものの遺伝子を解析した所、HIV1型OとPグループの起源が、ニシローランドゴリラであることが示された。

 

野生の感染個体の肉を加工するなどした際に人に感染したと見られており、研究結果の詳細は、米科学アカデミー紀要に掲載されるという。

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