宇野昌磨 世界初4回転フリップ成功で男子フィギュアの争いは激化か!?

コーセー・チームチャレンジカップは新設されたフィギュアスケートの大陸別団体戦。
アジア、北米、欧州の3大陸に分かれて、競技は男女ショート、ペア・アイスダンス、男子、女子のフリーのそれぞれの順位をポイント化して優勝が争われるというもの。

 

この団体戦でアジア代表の宇野昌磨(18=中京大)が、国際スケート連盟(ISU)公認大会で史上初の4回転フリップを決めた。
また、自身初のSPでの4回転ジャンプ2本にも成功、自己ベストを12・75点も更新し、歴代2位に相当する105・74点をマークした。男女各3人のSPで争う第1日はアジアが優勝した。

 

4月頭から本格的に取り組んできたという4回転フリップ。
宇野は演技最初のジャンプでこの初挑戦の4回転フリップに挑み、成功させたが、実は試合直前の練習では全く成功していなかったという。

 

演技後に「びっくりしています。運がよかったという気持ち」とその1本を夢のように振り返った宇野だが、このように果敢に新たなジャンプに挑んでいかなくてなならない時代に入ったといってもいいだろう。

 

バンクーバ五輪では4回転を飛ばなかった選手が金メダルに輝いた。
4回転をとばなくても完璧な演技を行えば、メダルに届く可能性があった時代の選択肢でもあったが、今の男子フィギュアのレベルはそれから格段に上がり、おそらく今後は数種類の4回転に挑み、なおかつ成功させなければトップには立てない厳しい時代になりそうだ。

 

宇野のフリップの成功はそんな今後の男子フィギュアの時代の流れに即したものだろう。

 

世界選手権を7位で終えた宇野はその悔しさを「今すぐにでも来季に向けて練習したい」と話したように、世界の舞台で表彰台にのるためには、必須になってくると感じたのかもしれない。

 

実際、羽生と世界選手権王者のフェルナンデスは、トーループとサルコーの2種類を飛ぶ。
羽生はさらにループを習得中で、エキシビションなどで何度も跳んでおり、史上初の試合での成功も近いとみられる。
中国の18歳金博洋に至っては、トーループ、サルコー、ルッツの3種類を持ち、16年4大陸選手権のフリーでは史上初めて試合で3種類4本の4回転を成功させている。

 

宇野はジュニア時代からこの金選手とライバル関係にあり、全く意識しない訳にはいかないだろう。

 

高難度のジャンプ=素晴らしい演技とは限らないし、心を打つ演技というのに必ずしもハイレベルの4回転が必須というわけでもない様に思うのだが、高難度のジャンプを飛べば技術点がぐんと伸びる。

 

どんなに表現力が優れていても、それだけでは勝てない、技術力も演技力も両方伴った演技、選手にはかなりプレッシャーの掛かるハイレベルな時代に入ってきた。

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