フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦のスケートカナダ最終日は10月31日、カナダ・レスブリッジで行われ、男子はショートプログラム(SP)で6位と出遅れた羽生結弦がフリーで186.29をマークし、合計259.54点で2位となった。
優勝はFSで190.33点をマークし、合計271,14点と羽生を上回ったカナダのパトリック・チャン。
ショート首位で折り返した村上大介は3位だった。
女子はアシュリー・ワグナーが優勝、次いでエリザベータトクタミシェワが2位に、初のGPシリーズ出場の永井優香が3位に入った。
30日のSPで違反が重なり、2つのジャンプが0点と悔しい結果となっていた羽生。
31日のフリーでは、冒頭の4回転ジャンプ2つ(サルコウ、トーループ)を立て続けに成功。
後半の4-2ジャンプでは手をつく場面も見られたが、完成度の高い演技を見せたものの、パトリック・チャンもミスのない演技を見せ、逆転はならなかった。
演技の後、羽生は記者会見で以下のように語った。
そして、途中で日本語に切り替え、「ショートのときは、とにかくできるんだ、大丈夫だと思っていた。今日の自分の感覚とはちょっと違って、すごく落ち着いていた。だけどすごく興奮していた。ちょっと矛盾しているかもしれないけれども。今回の演技こそノーミスでできると思っていた。だけど今日はちょっと違って、大げさなことを言うと、失敗してもいいし、練習通りに一生懸命やろうと思っていました」などと述べた。
(ハフィントンポストより)
●羽生が分析した今大会の課題とは?
羽生はフリーでの巻き返しで2位という結果におわった。
フリーの演技を見ると、チャンの得点は、技術点は羽生より3.18点低かったが、演技構成点はすべての項目で9点台を出して羽生を6.22点上回る95.16点。
演技構成点の評価の高い、ソチ五輪前のチャンの勝ちパターンそのものだった。
この結果について、羽生はこう分析している。
それに、演技構成点で6点以上の差をつけられたのが大きいです。たしかに今回(のフリー)は練習通りと考えていても、昨日の4回転の失敗が頭にあったので、ジャンプはすごく丁寧にやろうとして慎重になる部分があったので、スピードを出し切れなかった。それに、スピンもかなり抜いていたので、表現面でも出し切れなかった部分はあると思います。それを考えてもパトリック・チャン選手との差は明らかに離れすぎているので、もっと練習をして徐々に徐々に詰めていくしかないと思います」
(スポルティーバより)
羽生は演技を終えた後、「やっと集中を切ることができました。ずーっとビシッという気持ちでやっていたので」と笑顔を見せた。
得点だけを考えれば、もしショートプログラムのミスがなければ基礎点だけで合わせて約20点が見込めていたただけに、95点近くをとれていた計算となり、最終的な点数は、大体280点近くになっていたのかもしれない。
しかし、ショートではパトリックチャンにもミスがあったわけで、何よりもまだシーズン序盤で、演技の完成度はどの選手も万全とはいえない時期でもあるだろう。
チャンが復活した今季、羽生は新たな刺激を受けてさらに成長していくのかもしれない。