ソチ五輪・フィギュア初の団体戦 ルールは?メダルの可能性は?2-2

●フィギュア団体戦 メダルが有力な国は?日本はメダルを取れるのか

 

 

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初めて行われる団体戦。いったいどこの国がメダル有力なのでしょうか。
各サイトなど、団体戦についてどのような話が出ているのか、予想や意見などを集めてみました。

 

the voice of russiaの記事に載っていたスポーツ評論家のエカテリーナ・クリニチェワ氏は次のように予想しています。
(要点をまとめているので本文通りではありません)

「たとえばカナダチーム。昨シーズンの成績では世界選手権で男子シングル、アイスダンス、ペアでメダルを獲得しており、弱点がない。
しかし、日本もメダル争いに加わる為、あらゆる努力を払うだろう」と話すと日本のペアについて触れ、「男性のほうが日本市民ではなく、五輪参加資格がなかった為、このペアは解散し、ソチ出場に可能な別のペアが作られた」と話しているようです。
又、この団体戦について、ロシアでは常にリレー競技(団体戦のこと)が人気があり、リレーで得られたメダルは、個人で得られたもの以上の別の価値あるものとして評価されることや、観客も又選手達も、個人では決して発揮できないような力を団体で発揮する事に特別の価値を見出している」と報じられています。

 

この団体戦の今後について、もし観客の人気を集め支持され、選手達の体調に否定的な影響を及ぼさないようであれば、今後も種目として残り、例えばさらにシンクロナイズド・フィギュアといった新しい発展の道を開くだろうと話しています。

 

又、YAHOOニュースでは、この世界では押しも押されもせぬ第一人者というリンクで取材20年のジャーナリストの田村明子さんに注目ポイントを聞いています。

 

田村さんはズバリ、「ロシア、カナダ、米国の3カ国が金メダルを競うことになるでしょう」と予想しています。

 

確かに日本は、シングルの選手層では世界一ですが、ペアとアイスダンスでは上記3カ国ほどのレベルではない状況です。
しかし、日本に全くメダルの可能性がないのかと問われると、田村さんは「あります。それには、男女シングルでできるだけ点を稼ぐこと。そしてペアとアイスダンスも大きなミスがなければ、チャンスはあります」といいます。

 

高橋成美&木原龍一、この新ペアが結成されたことにより、日本にもメダルの可能性が出てきたといいます。

 

そして団体戦のポイントについては、ロシア代表のプルシェンコがどのような滑りを見せるかを注目ポイントに挙げています。

 

こちらのブログでもプルシェンコについての記事を載せていますが、ロシア選手権優勝のマキシム・コフトゥンが欧州選手権でメダルを逃し、その欧州選手権に欠場したプルシェンコがロシア・スケート連盟関係者の前でショートプログラムとフリーの演技を披露、前代未聞の最終テストを受けた結果、ロシアの1枠をつかみ、代表の座を得ました。

 

田村さんによれば、超ベテランのプルシェンコは、アイスショーなどでは今でも驚くほどキレの良い4回転ジャンプを跳んでいるといい、地元開催の五輪ということで、「団体戦は金をとる!」というロシアの強い意気込みが伝わってくるといいます。

 

しかし、この代表枠1ということは、プルシェンコが団体のショート、フリー、個人のショート、フリーとすべて一人で演技しなければならず、それがどう影響するかといったところが注目だと話します。

 

そう考えますと、日本の男女シングルなどのように複数の選手の出場枠がある種目では、違う選手が滑ってもよいということがメリットになりますね。

 

各国それぞれの場面で得意な選手を出してくると思われますが、出場メンバーは試合直前まで非公開ですので、誰をどこに出すかという国同士の駆け引きがみられることも、フィギュアの団体戦を見る上での楽しみになるかもしれません。

 

一方で心配なのは、男子シングルなど、団体戦が終わって4日しか間がないこと。
個人戦まであまり間がないことを思うと、体調やメンタルなど、過去のオリンピックとは違った配慮をしなくてはならないのかもしれません。

 

●団体戦に誰が出るのか?

 

今年に入ってからのスポーツ紙などによると、フィギュア団体戦の出場選手は大会前日に発表されるといいますが、メダルを狙う日本はショートプログラム(SP)に羽生結弦(ANA)、浅田真央(中京大)を起用することが濃厚とみられているようです。

 

浅田は今季SPで73.18点という世界最高得点を出し、全4試合でも70点を超えています。しかもトリプルアクセル成功がないなかでも、この点数を出していることから女子は浅田が出る可能性が高そうです。

 

男子の羽生についても、世界歴代最高得点を出しているショートプログラムなので、この2人が出るのではといった報道が多いようです。

 

というのも、出場10カ国中、SPの上位5カ国がフリーに進むため、各国ともSPを重視しているわけですね。
羽生と浅田であれば、その可能性はより高くなります。

 

一方で、フリーは個人戦への負担を減らすため、選手を入れ替える見込みだといわれ、男子は全日本選手権2位の町田樹(関大)、女子は全日本覇者の鈴木明子が有力となるといわれています。

 

11月末に負傷した右すねの回復が気になる高橋大輔(関大大学院)は、大事を取って団体戦から外れる見込みだといわれ、先日、足の不調をおして出場した四大陸選手権で優勝した村上佳菜子(中京大)も試合間隔を空けるため、個人戦のみとなる可能性が高いといいますが、はっきりとした発表はされていませんので、まだわかりません。

 

伊東委員長によれば、各種目の最高成績者とされていた出場選手は各国の裁量にゆだねられるということで、実際に選手は五輪開幕前から予選があるなど、団体戦は個人種目への負担がかかる状況だといいます。
その為、団体も大事だが、シングルでのメダル量産が期待される男女代表で、だれを選ぶかというのは難しい判断になりそうです。

 

ところでこの団体戦、発祥は09年に日本で新設された国別対抗戦だということで、過去3大会とも日本開催でしたので、TVで観られた方もいたと思いますが、その名物が「応援合戦」ですね。

 

滑らない選手がリンク脇の席から扇子、風船などのアイテムを使い仲間を鼓舞するなど、個人戦に比べて和やかな雰囲気が伝わってくるのですが、舞台が五輪、ロシアと場所が変わっても、その日本スタイルを継承することになるといわれていますので、緊張感あふれる個人戦を前に、リラックス出来るといいですね。

 

団体戦は開会式前日の6日に開幕、10カ国中4位で出場権を得た日本がメダルを獲得する為には、まずシングルの男女でともにトップとなることが重要だということ、そしてペアとアイスダンスがどれだけ踏ん張れるかがメダル獲得への鍵となるようです。
日本のフィギュア陣を皆で応援したいですね。

 

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