米倉ドクターX『失敗しないので』視聴率2週連続の20%超え!人気の要因は?

今クール注目のドラマが続々と放送され、それぞれの視聴率が発表された。

 

 

米倉涼子主演の「ドクターX」の21.3%を筆頭に、水谷豊主演の「相棒3」19.8%、沢口靖子主演の「科捜研の女」14.4%と、テレビ朝日の人気シリーズの続編が上位を占めている。

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その他、小栗旬主演のフジの月9ドラマ、信長協奏曲(フジテレビ系)が15.8% 、綾瀬はるか主演の日テレの「今日は会社休みます」14.3%もそれぞれ好調なスタートを切った。

 

中でも今年初の2週連続20%超えを果たしたのが、米倉涼子主演の「ドクターX」だ。
今週、第2話の放送が20.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前週の21.3%に次ぎ、初回から連続20%台は今年の民放連ドラでは初めてとなる。

 

このドラマ、なぜここまで人気なのだろうか。

 

ドクターXといえば、象徴的なのは、「私、失敗しないので」と「いたしません」といったきめ台詞だが、組織のトップが並ぶ中で、ハッキリと言い切れる未知子が、見ていて小気味良い。

 

自分の本意ではなくても「御意(ぎょい)」と答え、権力のあるものに取り込まれていく上下関係の中で、権力に屈することなく、あくまでもマイペース、最終的には、自身のすご腕で権力者を圧倒して終わるドラマのすがすがしさがなんともいえない。

 

しかし、ただのわがままな腕の良いクールな外科医として描かれているわけではない。

 

セカンドシーズンの時に、米倉自身が大門未知子という女性について、「とても格好いいというか、主張をしながらも、医者として何が一番大事かっていうこと、自分が何をするべきかっていうのを、ちゃんと見抜いている人」と語っているように、患者に対しては真摯に向き合い、絶対に死なせないという腕と信念を持っている熱い魂の持ち主だ。

 

そんな主人公の内情を表現するために、このドラマの象徴的なシーンを自ら形づくったのが、「未知子が手術の一番最後に、患者さんの胸に手を置くシーン」だという。
これは初回から、今回の続編まで、手術のあとに未知子が必ず行っているものだ。

 

例え嫌な人間であったり、どんな人だろうと、関わった人に対しては親身になって手術をして『お帰りなさい』や『お疲れさま』という気持ちを持つという、あったかい人物ということを意識して演じているのだという。

 

又、名医紹介所の神原と一緒のシーンでは、ギャンブル好き、肉好き、銭湯好きといった未知子の素の部分が見られ、天才外科医とのギャップも大門未知子という女性の魅力だろう。

 

ヒットするドラマには、その主人公に、誰もが憧れる技術や能力など、「誰にも負けない強み」と、その一方で「弱み」もあるという。
弱みがあるゆえ人間味が際立ち、魅力的に見せるという方式に見事にはまっているドラマだといえそうだ。

 

又、東洋経済オンラインの記事では、高視聴率な理由のひとつに「軸になる設定やストーリーを“西部劇”調にしているところ」を挙げている。

 

“西部劇” とは主にアメリカの西部開拓時代(19世紀後半)を舞台にしたアクション映画で、特に「ドクターX」に近いのはマカロニウエスタンといわれる、イタリアで制作された西部劇だという。
映画のラストには、悪者がすご腕のガンマンにバッタバッタと倒されていくのがお決まりで、特徴としては、主人公に権威はなく、自らの腕だけで悪者の権力者を倒すことで、人物像に一癖も二癖もあって、清廉な人物としては描かれないという。

 

同じ勧善懲悪でも、水戸黄門や暴れん坊将軍のように、実際には強い権力を持つ者が、悪者を懲らしめるのとは違い、自分たちと同じような権力のない人が、権力ではなく、専門技術で悪者を懲らしめてくれる所に、視聴者はスカッとするのだろうという。

 

さらに、「ドクターX」が高視聴率を獲得しているのは、組織で働く社会人から支持されているのに加え、シニア層もうまく取り込んでいる事をあげている。

 

実際、視聴者の層が狭ければ、どうしても高視聴率にはつながりにくく、在宅率の高いシニア層を含めた幅広い層から見てもらうことが必要になるだろう。

 

では、どんな点が、シニア層を取り込んでいるかというと、全体の見せ方をシニアフレンドリーにしていることだという。
あえて、あまり凝っていないグラフィックを使い、あえて昔風に、音楽は西部劇風、独特のナレーションなど、幅広い層を取り込む成功要因がドラマのあちこちに詰まっているようだ。

 

ヒットの法則に乗ったようなドクターX。
今後もドラマから目が離せなくなりそうだ。

 

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