羽生が挑む今季の高難度プログラムの為に見直した練習法とは?

先日のグランプリシリーズ中国杯では、直前に他の選手との衝突という事故に見舞われながら、最後まで演じ切り、2位入賞を果たした羽生結弦選手。

 

 

羽生にとって、今季初めて出場する大会で披露するフリープログラムだったことで注目が集まっていたものの、事故でそれどころではなかったというファンも多かったかもしれない。

 

今季の難易度の高いプログラムに挑む為、羽生は練習法を見直していたという。

 

先日の中国杯でも、怪我の中飛んでいた姿が痛々しかったが、怪我のない状態でもかなり難しい構成のプログラムなのだ。

 

昨シーズンのショートは4回転を冒頭で1本だったものを、今季は後半で1本にした。
さらにフリーでは、昨季、冒頭から続けて2本に加え、後半にさらにもう1本跳び、計3本にした。

 

4回転3本に挑戦する選手は他にもいるが、プログラム後半のジャンプは基礎点が1.1倍になる為、世界最高難度の挑戦となる。

 

「プログラム後半で4回転ジャンプを跳ぶには、かなり神経を研ぎ澄ましていないといけない。身体の疲労感も違うし、スピンの後だとちょっと目が回っているので、ジャンプを跳ぶ時に注意する部分も違う。
身体の状況を感じ取ることが重要だ」という。
(AERAより)

 

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さらに、ジャンプの中でも得点源となるトリプルアクセルを後半に2本跳ぶ。

 

この構成で出来る選手はなかなかいないだろう。
羽生にとっての課題はやはり体力づくりだと本人も話す。

 

昨シーズンも確かに難度の高い演技をしていたが、4分半を滑りきった羽生は息を切らしていた。
それを今季はさらに越える難しさ、体力が必要となると、練習方法も見直したという。

 

これまではプログラムを1分ごとに区切る「パート練習」中心だったが、昨季からは4分半を通して滑る「ランスルー」を取り入れており、この夏は、このランスルーを週7、8回に増やしたという。

 

ランスルーを全力でこなすとその場に倒れ込むくらい疲労するが、試合さながらの気迫で毎日滑り込み、体力の限界を引き上げていった。

 

又、試合に入れる予定もない4回転ルッツや、まだ成功者のいない4回転ループなどの練習にも取り組んでいたといわれる。
その理由を羽生は以下の様に語っている。

 

「今までは、ジャンプを自分の限界までプログラムに詰め込んで、無理にでも全部やろうとしていました。五輪王者となった今季は、そういう段階ではない。まずはミスのないパーフェクトな演技をすることが課題。そのためには自分の技術的限界をもっと引き上げないと。だから、新しい種類の4回転をやっているんです」
(AERAより)

 

どこまでも、高みを目指し、五輪王者としての自分の限界に挑戦し続ける。
そんな意志の強さが、先日の中国杯での滑りにもつながっているのかもしれない。

 

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