全日本フィギュア エース不在の女子…注目選手『樋口新葉』!?

GPファイナルで羽生結弦選手が優勝し、弾みのついた男子フィギュア。

 

 

男子は高橋大輔、織田信成の引退後も、日本人選手3人がファイナル進出するなど活躍をみせており、次世代を牽引しそうなジュニアの選手も育ってきている。

 

一方、女子はGPファイナル進出選手の6人中4人がロシア選手。
表彰台にも2人が上った。
年齢的にも15~18才とまだ若く、伸びしろのある彼女たちは今後もさらに成長していくと思われる中、日本では鈴木明子の引退、浅田真央の休養の影響が大きく、GPファイナルにはなんとか本郷選手が繰り上げ進出を果たしたものの、現在絶対的エースと言われる選手がいない。

 

ここ数年でフィギュア全体のレベルが上った気がする。
ミスなく滑るだけではなく、より難度の高いジャンプや構成で挑まなければ表彰台に立てない時代になった。

 

先日、GPファイナルで優勝した羽生選手ではないが、難しいジャンプに挑戦し成功させ、しかも美しく降りる。
より高得点を狙うために、ジャンプの前後に難しい動作を入れたり、難度の高いジャンプを後半に持ってきて1.1倍の得点を狙う。

 

浅田真央があそこまでトリプルアクセルにこだわっていたのも、絶対に跳ぶという自分自身への挑戦であったのと同時に、それをしなければ世界では勝てないということをよく知っていたからかもしれない。

 

これから世界の舞台で表彰台を狙える選手になるために、課せられるものは大きいと言えそうだ。

 

2018年の平昌五輪までの4年間の間に次世代の成長が待たれる所だが、今年11月に行われたジュニアスケート選手権で安藤美姫、浅田真央以来、3人目の快挙となる中学2年で樋口新葉(ひぐちわかば)選手が総得点合計187.95という高得点を叩き出し、2位以下に大差をつけて初優勝を果たした。

 

日本の大会では高得点が出がちではあるが、ジュニアGPファイナルでも178,09点で3位と表彰台にのっており、この得点だけでみれば、今季シニアで活躍した本郷選手と並ぶ成績となる。

 

この樋口新葉選手、3歳からフィギュアスケートを始め、4歳の時より明治神宮外苑スケート場に所属し、岡島功治コーチに師事を受けている。安藤や浅田などと違い、中京拠点ではなく、東京を拠点に練習している選手だという。

 

12歳の時に出場した、2013年度全日本ノービス大会で初優勝。
今季は出場した3大会のうち、2大会で優勝を果たし、一躍、有望ジュニアとして知られるようになった。

 

現在13才、日本スケート連盟の強化選手に指定されている期待の選手だ。

 

樋口が目標として挙げているのが、昨季限りで引退したキム・ヨナと安藤美姫。
かつてキム・ヨナが得意としたルッツ-トーループの2連続3回転ジャンプを強みとしている。

 

将来は浅田の代名詞でもあるトリプルアクセルを跳ぶという大きな夢があるといい、東京新聞のインタビューでは、「練習では転んじゃうけど、いつかプログラムで入れられたら」と話しており、他にも2種類の4回転ジャンプの練習もしているというから期待が集まる。

 

そんな彼女の滑りの特徴の一つに「スピード」がある。

 

樋口がリンクの上を加速していくと、見守っていた日本連盟の小林強化部長は、思わず「スケート靴にジェット噴射が付いてるみたい…」とつぶやいた。

 

「スピードを出しなさい」と言われたことはないという。
感覚をつかむためのジャンプの基礎練習で言われるのは通常、「スピードを抑えて」。

 

速さには重心移動が肝になるというが、樋口にはそれがもともと備わっており、指導している岡島コーチはその源を「身のこなしが天性のものだから」と話す。

 

さらに、子供ならスピードを出すことに恐怖心があるが、樋口は「怖いと思ったことはない」という。

 

ジャンプを綺麗に跳ぶためには、スピードが出過ぎると難しい部分もあるが、全日本ジュニアでは、3回転ルッツ-3回転トーループを弾丸のように跳ぶと、最後まで速度は落ちなかった。

 

スピードがありながら上手くコントロール出来ているということなのだろう。

 

18年平昌五輪へ向けて、ぜひこのまま伸びていってほしい選手だ。
26日から始まる全日本選手権にも出場するので彼女の滑りにも注目したい。
 

タイトルとURLをコピーしました