フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、カナダのセントジョンでカナダ大会が25日開幕しました。
この大会に日本から出場している選手ですが、男子は織田信成、羽生結弦、無良崇人、女子は鈴木明子の4選手。
それぞれSPが行われ、男子ショートプログラム(SP)で織田信成(関大大学院)が80.82点で2位、羽生結弦(ANA)が80.40点で3位となっています。
そして、世界選手権3連覇のパトリック・チャン(カナダ)が88.10点でトップ。パトリック・チャンは冒頭の4回転が3回転になってしまったものの、スピンやその滑らかな滑りは相変わらず、すばらしい出来映えで首位に立っています。
現在、2位につけている織田ですが、4回転ジャンプで転倒したものの、その後は落ち着いてまとめ、SPを終えています。
ソチ五輪の出場を目指し、世界選手権を引退試合にしたいと宣言している織田信成選手。この大会で好成績を残し、有終の美を飾りたいところです。
無良崇人(岡山国際スケートリンク)は73.08点で5位につけていますが、4回転が成功すると高得点が望める選手なので、明日のフリーに期待したいですね。
●この大会のみどころは?
この大会の見どころはパトリックと羽生の初戦。
オリンピックを占う意味でも大切な試合になります。
SPを終えた時点での結果はパトリックが1位。
羽生は4回転を飛んだもののバランスを崩し、2連続3回転ジャンプの1本目が1回転となるミスにより3位、試合終了後にはくやしい表情を滲ませていました。
羽生選手は莫大な点数の差をつけられたわけではないのでフリーで頑張るとコメント、フリープログラムでの出来映えによっては、まだ分からない順位なので、明日のフリーを良いイメージで終えられるよう頑張って欲しいですね。
●羽生とパトリックの今季の曲は?
昨年SP歴代最高得点を出した羽生、その後パトリック・チャンに記録を塗り替えられてしまったものの、高得点を出した昨年と同じSPの曲「パリの散歩道」、振付はジェフリー・バトルを今期も継続しています。
フリープログラムの曲は、「ロミオとジュリエット」。
2季シーズン前にも使用した曲ですが、以前はレオナルド・ディカプリオが主演した映画のものを使用していました。
今季はニーノ・ロータが手掛けた「ロミオ&ジュリエット」を使用。
振付師であるデビット・ウィルソンは「2季前とは印象が違う。強くて情熱的でパワフルで、動き続けるエネルギーの必要なプログラム。」と話しています。
一方、パトリック・チャンもSPは昨年に引き続き、「幻想的小品集より 第1番エレジー」を使用、振付はジェフリー・バトル、FSはアントニオ・ヴィヴァルディの「四季」を使用、振り付けはデヴィッド・ウィルソン。
SP、FS共に羽生とパトリック、振付師が一緒なのですね。
●パトリック・チャンからみた羽生は?
ISU主催のスケート公式スポンサー・キャノンのインタビューでパトリックは羽生について下記のように答えています。
「ユヅルのプログラムは、とにかくエネルギーがあって若くて、日増しに進歩しています。バンクーバー五輪のあと僕が成長した時のように、彼からもパワーが溢れています。(世界歴代最高得点を出した)ショートは、本当に驚異的な内容。彼は去年すでに世界選手権で銅メダルを獲っていますし、その実力を証明するシーズンになっていますよね。試合の展開が面白くなって、彼の存在はいい刺激です。僕も練習するのみです。」
オリンピックシーズンの初戦、羽生とパトリックの戦いもさることながら、国内で勝ち上がり、オリンピック出場の3枠に入ること自体が激戦の日本選手。
その3枠を勝ち取る為には、誰もが必死で望む大会になることは間違いなく、どんな結果で終えるか26日に行われるのフリーに注目です。