先日、引退を発表したフィギュアスケートの高橋大輔。
高橋の引退発表にショックを受けたファンも多いだろう。
発表後、ネット上は彼の引退を惜しむ声で溢れた。
とはいえ、いくら人気があっても、競技をするスポーツである以上、現役をいつまでも続けられるわけではない。
今でこそ、フィギュア大国と言われるようになった日本だが、世界ジュニア選手権や世界選手権、グランプリ・ファイナルでの優勝、五輪でのメダル獲得は、いずれも高橋大輔が日本の男子初の快挙だったのだから、その功績は大きいだろう。
昔はフィギュアといえば女子、日本でも歴代のスケート選手の名で思い出せるのは、女子の選手ばかりだったのではないだろうか。
高橋は以前、女子の試合が終わったら男子の演技を前に、次々と席を立つ観客を見たという。
そんな様子を目にした時から、男子のフィギュアを盛り上げていかなくてはという思いを感じていたというが、今では男子の活躍も、女子に劣らず目覚しいものがある。
間違いなく、そうした礎を築いた1人でもあるだろう。
高橋がフィギュア界にもたらした功績は、競技の実績以外にも見られる。
もともと、演技力の評価は高いのだが、その演技を盛り上げる要素のひとつに演技の際の音楽がある。
従来、クラシックやオペラをはじめ、ラテンやタンゴ、映画音楽を使用する選手が多い中、高橋はスケーターとしてそれまでの選手が使用しなかった様々なジャンルの音楽を、氷上で演じてきた選手でもある。
高橋といえばバンクーバー五輪で演じた「道」や、代名詞とも言えるタンゴ、マンボ、ラテン系などのプログラムが真っ先に頭に浮かぶ方も多いかもしれないが、高橋大輔の名を知らしめた作品として、フィギュアスケートのプログラムとしては異例のヒップホップに挑戦した、2007-2008シーズンのショートプログラム『白鳥の湖~hip-hop ver.~』が挙げられるだろう。
通常のメロディーをヒップホップにサンプリングした楽曲で、ヒップホップダンスを大いに意識した細かいステップと、上半身の大きな動きが特徴的なこのプログラムは、スケート界では衝撃だったかもしれない。
スケーターとして実績を積み上げてきただけでなく、芸術面でもこうした新たな挑戦を続けてきた高橋の演技に、魅了されたファンも多いはずだ。
現在、競技では4回転を飛ばなくては、上位には立てない時代になっているが、それ以上に高橋の滑りが好きだというファンはたくさんいるだろう。
しかし、今後は現役引退となると、中々今までのようにすべる姿を見られる機会は減ってしまうだろう。
今後、出演が決まっているのは、引退後、初めて登場するとみられるアイスショーだ。
12月21~24日に神奈川・新横浜スケートセンターで開かれる「クリスマス オン アイス」。
日本語ポップスのカバーで知られる米歌手のクリス・ハート(30)が出演し、クリスの歌声に合わせて高橋らが演技するという。
そして、1月のスターズオンアイスSTARS ON ICE JAPAN TOUR 2015に出演予定だというが、これ以降の予定は未定のようだ。
今後については、「スケートから2、3歩引いて、自分がスケートをどれくらい好きなのかを確かめながら、これと決めずに行きたい」と述べており、明確な方向性は示していない。
あるスケート関係者は、普通、現役引退となれば、スポンサーやファン離れが加速して、人気も先細りしていくと話すが、高橋の場合は、むしろ今後の年収は数十倍に跳ね上がるのではという見方をしているようだ。
それは、彼には人気アイドル並みの熱狂的なファンが大勢いて、アイスショーなどに出れば超満員なのだという。
しかも、ファンの層が、中高年女性の富裕層が多いといい、高橋のために惜しまずお金を使ってくれる人ばかりだというのだ。
高橋が出る大会では、4、5人のグループで1枚2万~3万円もするチケットを発売と同時にネットで大量予約するシニア女性が多いという。
会場では1枚2000円以上のタオルやカレンダーなどのグッズも飛ぶように売れ、今ではネット通販でも手に入れられないものもあるという。
某スポーツメーカーの広報担当者に寄れば、「企業も高橋のバックにいる年配ファンの財布を狙っているでしょう。年齢などを考えれば、高橋の引退発表は時間の問題だった。以前から高橋にデザイン、アドバイス参加させてのアパレルや健康食品の開発に興味を示しているメーカーがあるとも聞いている。CM起用やスポンサー契約も浅田真央(現在約10社)を追い抜くかもしれません。今の彼の年収は2000万円前後といわれていますが、一気に5億円ぐらいにまで跳ね上がるかもしれません」
(日刊ゲンダイより)
色々な可能性がありそうな高橋だが、引退後の未来は明るそうだ。