フィギュア ロシア代表枠1に決まるのは…プルシェンコかコフトゥンか?

日本では昨年末に全日本フィギュアが行われ、男女の代表選手が確定しましたが、世界ではソチ五輪代表がまだ決定していない国もあり、ロシアやアメリカなども代表選手が決定する重要な選手権などを控えた状況ですね。

 

 

五輪の開催国であるロシアでも、昨年12月25日にソチ五輪代表選考会を兼ねたロシア選手権が行われましたが、優勝を果たしたのは、18歳のマキシム・コフトゥンでした。
コフトゥン選手は、グランプリファイナルにも出場し、今シーズン力をつけてきている4回転が得意な若手の選手。

 

しかし、そこに立ちはだかるのは・・・ロシアの男子フィギュアといえば、この選手の名前が挙がってくる2006年トリノ冬季五輪金メダリストでもあるプルシェンコ選手。そのプルシェンコもロシア選手権に出場しましたね。

 

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プルシェンコは男子シングルでショート・プログラムで首位に立ちましたが、フリー・プログラムでミスをしてしまい、合計261.37点という結果に終わり、SP2位だったコフトゥンの267.13点におよばず、逆転されて2位に終わっています。

 

ロシアの記事によれば、ショートで2位だったコフトゥンは、大方の予想を裏切る形でソチ五輪の個人戦への出場切符を手に入れたと報じられ、「(コフトゥンは)今シーズンは4回転ジャンプを5回決められていないから、これは課題のまま。今は一応準備は整っているけど、どこかがうまくいかなかった。これから準備するに十分な時間がある。それなりの結果を得られたことはとてもうれしい。ようやく少しだけ休むことができるから、6日ぐらい時間をとって、新たな力を蓄えて、ヨーロッパ選手権にのぞみたい」と話しているようです。

 

ロシア選手権では15年ぶりに金メダルを逃した結果となったプルシェンコ。
二人出場できれば良いのですが、ロシアの男子フィギュアの代表枠は「1」なのですね。

 

この大会の結果を受けAFP通信によると、プルシェンコはソチ五輪の団体戦への出場を希望しているといい、「私は団体戦を選んで、若くて有望な選手に個人戦をゆずるよ。すべてをしっかり、そして正しく理解している。私には団体戦で十分なんだ」。と話しているといいますが、その一方でこのような話も出ています。

 

プルシェンコのコーチであるアレクセイ・ミシン氏はテレビの取材に対して、ソチ五輪の男子シングルの出場者について「誰がどの大会に出場するかは、ロシア連邦スポーツ省とロシア・フィギュア・スケート連盟が決めること。強くて才能のある選手が2人いることは良いことだ。ケガなどのさまざまな事態を想定する必要があるから、いくつかの案を頭の中で用意しておく必要がある。誰が、いつ、どのように出場するか、ということは、もう少し後で決定する。プルシェンコが言ったことは、フリーの後で感情的になっただけ」。と、今結論づけるのは時期尚早と話しているようです。

 

同じように、プルシェンコの夫人である、有名な音楽プロデューサーのヤナ・ルドコフスカヤも、夫の五輪の出場について、「エフゲニー(プルシェンコ)がソチ五輪に完全な態勢でのぞむと信じてる。最近のフリーの滑りを練習で見ていたけど、素晴らしい出来だったわ。復活してまだ2回目の試合。ショートで完璧だったけど、足が最後まで高いレベルを維持してくれなかった」。希望を失ってはいないといいます。

 

確かに、この大会はおろか、ソチ五輪にも間に合わないのではといわれていたプルシェンコの怪我が報じられたのは、昨年の2月のこと。

 

プルシェンコの状態を知る医師は、普通の生活も困難なほど悲惨だったといい、このように話しています。
「プルシェンコには数年間強い痛みがあった。小さな手術を3回受けたが、あまり変わらなかった。椎間板1枚は完全に崩壊していて、2枚目は負荷が増えたことで状態が悪くなっていた。神経が強く圧迫されていたから、足の弱さを感じていたんだ」。
そして、腰の手術という決断をし、現在は4本のボルトで固定された人工椎間板が腰椎を支えている状態だといいます。

 

そしてプルシェンコ自身も「私の復活を信じた人は少なかった。これは復活後2回目の試合。皆があり得ないと驚いていたが、これがあり得ることだと証明できた。ただ、フリーはもっとうまく滑れたはずだけど」と話すなど、この怪我の状態がありながらの演技で2位だったとすると、完全に五輪代表をあきらめている状況ではないという感じでもあります。

 

実際に、昨年末のロシア選手権でソチ五輪の男子シングル代表が決定したわけではなく、個人戦出場者が決まるのは、1月13~19日にハンガリー・ブダペストで行われるヨーロッパ選手権の後だと言われていますので、ロシアの代表の行方は、このときまで分からないといえそうです。

 

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