今年の27時間テレビはSMAP一色だった。
どの番組にも出演、不眠不休で27時間を過ごし総合司会が出ずっぱりで各番組に出演する中で、メンバーの本音が聞ける内容も多かったので抜粋してみた。
まず、オープニングではSMAPの“生前葬”を敢行し、1991年のデビューから27周年を迎えたグループの歴史を振り返りながら、ゆかりのある著名人から“弔辞”として質問が寄せられた。
それにメンバー一人ひとりが答えていったのだが、タブーとされていた部分にも質問が及ぶ。
木村への質問は、「視聴率が気になって眠れなくなったことはありますか?」というもの。
常に視聴率のプレッシャーにさらされている木村、現在もHEROに出演中だが、本人に面と向かって聞けそうで聞きにくい質問だ。
木村は「眠れないことは時にあるかもしれないが、今はそこを考えて作業していません。(視聴率は)後々、結果として手元に届くもの。現場は現場として、全力でやっています。・・」と答えた。
稲垣に対しては、公務執行妨害などの容疑で逮捕された事件に触れた。
本人にとっても、あまり掘り起こされたくはない部分かもしれないが、「休業していた数ヶ月、どんな気持ちでいましたか?」と本人に質問した。
稲垣は「自分のしてしまったことを反省し、もうSMAPではいられなくなってしまうのではないかと思っていた。メンバー、ファン、スタッフへの感謝とありがたさを感じる日々でした」と振り返った。
続く草なぎにも2009年4月に泥酔状態で逮捕された後、初めて4人と会ったときのことを覚えているかという質問が寄せられた。
「鮮明に覚えています。感謝と申し訳ない気持ちが湧いてきて、人生で初めて味わう気持ちでした。あの時、確実に僕の何かが変わりました」と表情を引き締めた。
香取慎吾には「解散を考えたことはあるか」という質問が寄せられ、香取は「絶対に解散はしませんけど、今まで何度か(解散を)考えたことはあります」と答えた。
具体的にはSMAPが27時間ナショー(ワイドナショー)に出演したときに聞くことができた。
番組内で、司会の松本人志や東野幸治から「何回くらい(解散危機が)あったの?」と追及されると、最年少の香取慎吾は悩んだ末に「何度かありましたよ。3か4あたり」と正直に返答。
するとほかのメンバーらは沈黙し、香取がメンバーの顔を見ながら「こんな言っちゃいけない感じか分からないけど…みんな、あったじゃん!」と同意を求めた。
そこから草なぎ剛が「慎吾は3か、4って言うけど、(ぼくは)2回」と助け船。稲垣吾郎は「僕は1回。多分(危機を)知らされてなかった」と笑いを誘った。木村拓哉は「オレ、3回ですよ」と話し、香取の「(解散危機)3、4回」説を裏づける形となった。
複雑な表情で見守っていた中居も松本らに発言を促されると「4・5回ぐらい」と告白するも、中居は「ここ十何年はないですよ、20代はやっぱりね、あったかもしれません」と最近の解散危機説はガセネタであることも付け加えた。
さらに番組の終盤に香取は「森君がやめるって言った時、中居君がぼくに『解散しようか?』と言ったのが(解散危機の)1回目です」と打ち明けた。
中居は、1996年にグループを脱退した森且行氏について、リーダーとしての当時の思いを聞かれると「寂しかった。寂しくて、寂しくて、寂しいという気持ちしかありませんでした」と答えた。
その森は、番組の最後にSMAPのメンバー一人ひとりにメッセージを送ったが、中居に対しては以下のような言葉を送っている。
「中居君には一番いろんな事を教わって、そして一番迷惑をかけた。辞めると決めてから、ずっと心配してくれて、ずっと面倒見てくれて。ありがとう。記者会見も一緒に出てくれてありがとう。辞める最後の最後までリーダーとして面倒見てくれてありがとう。」
このメッセージに中居は号泣していた。
最後に、ミュージシャンのスティービー・ワンダーから5人に「SMAPとは何か?」と問いかけられ、それぞれ次のように答えた。
中居は「2つ目の苗字」、木村は「今ある自分の基礎、帰れる場所」、稲垣は「自分の中を流れる血液」、草なぎは「生きていることを強く実感させてくれるもの」、香取は「僕の生きる意味」とそれぞれ答えており、メンバー一人ひとりにとってのSMAPの位置づけが、人生においても
重要なものだと感じさせる答えだった。