全日本フィギュア 羽生ショート1位で折り返し!

26日に『第83回全日本フィギュアスケート選手権』が開幕し、男子ショートが行われた。
毎年クリスマスシーズンに恒例となった大会だが、来年の世界選手権の代表選考も兼ねた大事な試合となる。

 

 

その全日本選手権で、羽生結弦選手が今シーズンのPBを出し、1位で折り返した。

 

明日のフリーで、全日本3連覇のかかる羽生結弦、そして羽生の最大のライバルになると思われる町田樹、無良や小塚など、実績のあるシニア選手たちがどんな演技を見せるかが見どころだ。

 

又、昨年まで表彰台を争ってきた高橋大輔や織田信成が引退したものの、この全日本では新たに活躍が期待される選手や、次世代を担うジュニア選手にも注目が集まる。

 

フィギュアスケートジャパン2014-2015

今年NHK杯で優勝して注目を浴びた村上大介、そして次世代のエースと目される宇野昌磨も上位につけており、明日の演技次第では、まだまだ上位争いに食い込む可能性もある。

 

【男子ショートの結果(上位)】

1位 羽生結弦 94.36
2位 町田樹 90.16
3位 宇野昌磨 85.53
4位 村上大介 81.28
5位 無良崇人 78.54

 

羽生は冒頭の4トーループを綺麗に決めると、得意のトリプルアクセルも難なく着氷、イーグルの動作へつなげた。
しかし、最後の3-3のコンビネーションの予定が、ファーストジャンプの3ルッツの軸が曲がってしまい、なんとかこらえて着氷するも、セカンドジャンプの体制が崩れ、両手を上げた2回転に変更した。

 

しかし、前の2つのジャンプの出来栄え、表現力などが評価され点数が伸び、94.36点をだしてトップに立った。

 

圧巻だったのは2位につけた町田選手。
最終滑走者という緊張感高まる順番からのスケーティングで、ミスのない完璧な演技を見せた。

 

冒頭の4トーループ3トーループのコンビネーションジャンプを成功させると、3アクセルも決め、最後の3ルッツジャンプも綺麗に着氷させて今期一番の演技に自身も感極まった様子だった。

 

そして、次世代を担う選手との期待の声も大きいジュニアGPファイナルの覇者、男子では羽生以来、5年ぶりの日本人王者となった宇野昌磨選手。

 

シニア相手だと無難なプログラムでは厳しい、攻めていきたいと話した宇野は、言葉通り、ジュニアのショートプログラムでは禁止されていた4回転ジャンプが解禁となるシニアの大会で、4回転トーループを組み込んだ構成で挑んできた。

 

冒頭の3アクセルを成功させると、4トーループ、最後のコンビネーションの3-3もミスなくまとめ、ショートを3位で折り返した。

 

シニアの中にあって全体の3位で折り返した宇野選手が明日のフリーでどんな滑りを見せてくれるのか期待したいところだ。

 

●羽生、怪我後に得たものは?

 

羽生といえば、GPシリーズ中国大会での6分間練習中に、中国の選手と衝突、怪我をおして満身創痍で出場の末、ファイナル最後の切符を手にした。

 

しかし、出場したファイナルで優勝を果たし、男子史上3人目となる2連覇の偉業を成し遂げた羽生は、試合終了後に「身体を気にしないで滑ることの出来る喜びを感じた」と話した。

 

怪我後の2試合は身体が相当きつかったことを物語るコメントだ。

 

思えば羽生は今シーズン開幕前に、何度も「オリンピックチャンピオンとしてチャンピオンらしい演技をしなくてはならない」という言葉を口にしていた。
チャンピオンらしい演技とは羽生にとって、常に前進することであり、昨年の自分を越えるべく、より難度の高い構成に挑もうとしていた。

 

そんなシーズン初戦、これからという矢先に事故にあい、怪我を負ってしまったことで、挑もうと思っていた構成を変えざるを得なかった。

 

それどころか、ファイナルに出場出来るか出来ないか、まさにギリギリ滑り込んだファイナルを前に、五輪チャンピオンとしての気負いのようなものが取れ、羽生に再び以前のような「攻め」の姿勢が戻った。

 

実際、世界選手権3連覇の絶対王者といわれたパトリック・チャンを目標に「挑戦」しつづけてきた羽生は強かったことを思い出す。
怪我の回復も大きいだろうが、自身を「挑戦者」と位置づけて戦い始めたことは、羽生にとって大きかったのかもしれない。

 

●課題はルッツジャンプ!

 

ここ数試合、このルッツに苦しんでいる羽生。

 

GPファイナルでもフリーで最高の演技を見せたが、最後の最後、ルッツで転倒してしまった。

 

今日は転倒こそ無かったものの、軸が曲がり、体制を崩したあわやというジャンプを何とかこらえ、コンビネーションに持っていった。

 

今日の演技終了後のインタビューで羽生はルッツのミスについて、「前回の試合と同じようなミスの原因で、悔しい」と話している。
軸の取り方が上手くいっていないと話すも、「明日のほうが(ジャンプが)多いので、修正しながらできればと思う」とコメントした。

 

ルッツが上手くいかなかったファイナルでも、パーソナルベストを出して優勝している羽生。
もしもルッツの修正がうまく行けば、今シーズンのPB更新もあるかもしれない。

 

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