世界三大映画祭の一つ、第６４回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の授賞式が１５日開かれ、山田洋次監督の「小さいおうち」に出演した黒木華（くろき はる）さん（２３）が日本の歴代受賞者で最年少となる最優秀女優賞（銀熊賞）に選ばれました。
黒木は「跳び上がりそうになった」と喜びを見せながらも「監督が、この素晴らしい映画を撮ってくださったおかげだと思います」。自分一人だけでなく、山田監督を始めとした周囲の力で手にした賞であることを強調していました。
日本人の同賞受賞者は、記憶に新しいところでは２０１０年に寺島しのぶさんが獲得していますね。
他にも１９６４年の左幸子さん１９７５年に田中絹代さんと今まで４名の女優さんがこの賞に輝いているといいます。
この小さいおうちですが、原作は、第143回直木賞を受賞した作家・中島京子の同名小説で、昭和初期の赤い屋根の”小さいおうち”を舞台に、恋愛事件に揺れ動く2人の女性の運命と、その時に封印された秘密を通じて、戦時下から現代に至るまでの”本当の歴史”を描いたものだといいます。
黒木さんはオーディションで選ばれたそうで、松たか子さんが主演を務めていますが、作品は黒木さん演じる女中として奉公した「布宮タキ」の目線で描かれているようで、山田洋次監督がメガホンをとった映画です。
次々と話題作に出演し、最近ドラマや映画で名前を聞くことの多いこの黒木華さんとはどんな女優さんなのでしょうか。
黒木さんは1990年3月14日生まれの現在２３歳で大阪府出身。
ネットなどをみますと日本人とフィリピン人の両親を持つハーフだといわれていますね。
そんな黒木さんの好みですが、朝日新聞デジタルの記事によれば、ふだん身につける香水は「ウッド系の自然な香り」だそうですが、基本的には化粧も含めてあまり何もしたくないので持ち歩くことはしないのだそうです。持ち物に香りを噴きつけて時々香りをかいだりという程度だといいます。
食事は豆腐が好きだそうで、シンプルに湯豆腐やそのまま食べるのが好きだとの事。脂っこいものが苦手で外食もあまりしないそうです。
実家ではずっと玄米で健康食が多かったそうで五穀米とかを食べるようにしています。ジャンキーなものはあまり好きではないと話しています。
和風な雰囲気そのままの印象ですね。
「第５６回ブルーリボン賞」新人賞を獲得し、「2014年にブレイクを期待するタレント」でも女性タレント部門で第４位に選ばれた期待の若手女優さんです。
舞台を観ない方でも、ＮＨＫの連続テレビ小説「純と愛」、堺雅人主演のドラマ「リーガルハイ」に出演して黒木さんを知った方も多いかもしれませんね。
黒木さんのデビューのきっかけは３年前、２０歳の時に演劇界の天才・野田秀樹氏のワークショップに参加し、オーディションを経て舞台出演、役者デビューし、続いて出演した野田作品では３人芝居で野田さんと中村勘三郎の娘役を射止め、一気に注目を浴びることになりま
す。
その後も話題の映画に立て続けに出演されていますね。
そんな黒木さんの魅力について、色々な方のコメントをまとめて見ました。
昨年夏に公開された俳優の綾野剛さんとダブル主演した映画「シャニダールの花」で撮影を共にした石井監督が「すっぴんの魅力っていうのかな。非常に透明感があるんだけど、同時に芯の強さを感じる」と評しています。（毎日新聞デジタルより引用）
「舟を編む」や「おおかみこどもの雨と雪」で宮崎あおいさんと共演していますが、宮崎さんは「黒木さんはまじめで、あまりしゃべっていないけれど、いつもかわいいなあと思って眺めていました。誰でも毒を持っているけれど、まじめとのバランスがとても好き」と絶賛していました。（映画ＣＯＭより引用）
又、同じく舟を編むでプロデューサーを務める孫家邦氏は「黒木さんが出演した舞台でどんな人の心にもすっと寄りそってこれるような演技を拝見して、大きな可能性を感じました」とキャスティングの理由を語っていますし、彼女のＣＭを手掛けた岩井俊二氏は黒木を評して「文学的な香りがする女優」と語るなど、見た目の印象のように、ナチュラルでおとなしい穏やかな印象の中にも、どこか魅力的で人の心をつかむような部分があるようですね。
そして「女優・黒木華」の生みの親ともいえる劇作家・演出家の野田秀樹氏もまな弟子の受賞を祝福したそうです。
スポーツ報知によれば、野田氏は一報を聞いて、すぐ黒木に国際電話をかけて快挙をたたえたといい、「最初に彼女に出会ったものとして、本当に誇りに思います」とコメントを寄せたといいます。
今年も３月３１日から放送予定の花子とアンや、３月には”銀の匙Silver Spoon”の公開を控えている黒木さん。
今年はますます黒木さんの活躍が見られるのではないでしょうか。
