4月に女児を出産したフィギュアスケート元世界女王の安藤美姫(25)が早ければ16日の日本連盟理事会を経て強化選手に復帰することが12日、分かりました。
ソチ五輪1次選考会の関東選手権が開幕、安藤は13日の女子ショートプログラム(SP)から登場するということです。
小林芳子強化部長らがSPと14日の女子フリーを視察し、強化選手復帰の判断材料にする予定で、関係者は「演技次第では16日の理事会で協議する」と話しているそうです。
●安藤選手が強化選手になると?
強化選手に復帰すれば国際大会の派遣対象になる安藤ですが、強化指定を外れていた安藤は、国内大会で結果を残して強化指定となり、その後の国際大会で最低技術点を取ることが求められていました。
安藤がオリンピックに出場するためには、「ISUが定める五輪出場への最低技術点の獲得」が必要だったことから、どこかの段階で国際大会へ出場する必要があったわけですね。
しかし、先日ISU公認大会でもあるネーベルホルン杯に出場できる機会を得て、ISUが定める「五輪出場への最低技術点の獲得」をはたしましたので、安藤が早期に強化選手に復帰する必要性はなくなりましたが、安藤がもし強化選手になると、望んだ場合には11、12月の国際大会への派遣が可能となるといいます。
●安藤選手、関東選手権フリーの演技が鍵?
日本連盟は選手の選考方法として「全日本選手権出場」を最低条件としています。
そのため、まず全日本選手権に出場することを目指して、予選のブロック大会である関東選手権、東日本選手権を通過する必要があります。
そして、安藤にとって国内でSPとフリーを滑る試合は10年12月の全日本選手権以来、約3年ぶりとなる関東選手権(10月11~14日)が現在新横浜スケートセンターで行われています。
13日、女子ショートプログラムは、安藤が危なげない演技を披露し、総合56.25点(技術点28.89点、演技構成点27.36点)で首位に立ったといい、14日のフリーを滑りきれば、2次予選の東日本選手権(11月1~4日、群馬・前橋)進出が決定、同大会での成績で全日本選手権への出場が決まるといいます。
ここで重要になってくるのが明日行われる「フリー」の演技になるといわれています。
先日出場した、ネーベルホルン杯のとき、課題として挙げられていたのが、「体力」。
4分間を滑るフリーでは、技術はもちろんのことですが、何より今の安藤選手の場合「体力」をどこまで戻していけるかというのが大きなポイントになるといわれていました。
ネーベルホルンを終えてのコメントでは、「体が慣れてきた。やっとスタート地点に立てた」とし、12月下旬の全日本選手権に向け「時間が足りないというのが正直なところ。でも、追いつけるようにやりたい」と話していました。
今回のフリーの出来映えは、五輪最終選考会の全日本選手権(12月、埼玉)にも、強化選手へ戻る道としてもとても重要な演技になりそうです。
●日本の女子シングルは3枠
ソチ五輪に出場するには 日本の女子シングルは3枠の中に入らなくてはなりません。
全日本選手権の優勝で決定、2、3位は、GPファイナルの日本人最上位者と合わせて選考し、それでも決まらなければ、同大会終了時点での世界ランク日本人上位3人、ISU(国際スケート連盟)シーズン最高スコアの日本人上位3選手から選考するといわれています。
安藤にとっては優勝することが確実ですが、もしも今回強化選手になることができれば、国際大会に出場できる可能性が広がります。
2、3位といった微妙な状況になった場合、安藤の現在の世界ランクは休んでいた為、当然低いわけで、シーズン最高スコアを狙うか、(出場できるのかという問題もありますが)GPファイナルの日本人上位者になるかといった限られたところに挑戦していくことになるのでしょう。
安藤選手の残りの数ヶ月はとても険しい道のりであることは間違いなさそうです。