フィギュア 浅田、高橋は休養で特別強化選手外れる その間に育つ 選手は現れるか!?

日本スケート連盟は16日、東京都内で理事会を開き、2014年度強化選手を承認した。

 

 

フィギュア最高ランクの特別強化選手には、男子はソチ五輪金メダルの羽生結弦(ANA)、世界選手権2位の町田樹(関大)に加え、小塚崇彦(トヨタ自動車)、無良崇人(岡山国際スケートリンク)の4名が、女子は村上佳菜子(中京大)と宮原知子(大阪・関大高)が入り、休養する女子の浅田真央(中京大)、男子の高橋大輔(関大大学院)は特別強化選手から外れた。

フィギュアスケート フォトコレクション Rhapsody 2004-2014 (晋遊舎ムック)

 
高橋も浅田も、一年間、休養することを発表しており、今シーズンは競技には出場しない。
ソチ五輪で金メダルを獲得した羽生をはじめ、町田など、近年の男子の活躍は目覚しいものがあるが、浅田が休養を発表し、実際に特別強化選手からも外れたというニュースを耳にすると、引退したわけでもないのだが、女子フィギュアの今後を担う選手は誰なのかといったことも気になってくる。

 
浅田が今シーズン出場しないことに加えて、実際に昨シーズンまで競技生活を行っていた鈴木明子や、安藤美姫の引退で、女子のトップ選手が一気に抜けてしまった女子フィギュアの現状をみると、今後いかにしてトップ選手を育てていくのかは課題ともいえそうだ。

 

日本スケート連盟が、次なるスター選手を見出すべく、これまで行ってきた強化策には2つの段階があるという。

 
一つはまずは埋もれた才能を見つける「選手発掘」。そして、才能ある選手を世界トップへと磨きあげる「選手強化」だという。

 
92年のアルベールビル五輪で伊藤みどりが銀メダルに輝いたが、現在のように、複数の選手が代表として五輪に出られる程、日本のフィギュアは強い時代ではなかった。

 

当時の強化部長は、トップ選手が1人しかいないことでプレッシャーがかかりすぎたことをあげ、トップ選手が国内で切磋琢磨する状況が必要と考えると、全国から小中学生を集めて、青田買いを行ったという。

 
優先的に国際大会を経験させることで、1期生の荒川静香がトリノ五輪で日本初の金を獲得し、現時点でも、世界ランキング20位以内の日本女子は5人と「発掘」は成功したと言える状況だったという。

 

実際に力のある選手は出てきており、今年の女子の特別強化選手こそ2名だが、それに続く強化選手を見ると、11名の選手が名を連ねている。

 
その層をこれから世界で通用する選手にするため、どのように育てていくかという「強化」という点において、まだ手探りの部分が多いのだという。

 

しかし、今後五輪でメダルを目指すのであれば、この「強化」こそが大切になってくると思われる。
総合スポーツサイトのNumber Webの記事に、その「強化」についてこのようなコラムがあった。

 
現在、連盟が始めている「強化」は技術面よりも表現面に介入するものだ。表現面は、シャイな日本人にとって未開拓の分野。
そこで連盟は毎年夏に海外の指導者を招聘し、下は小学生から上は浅田らトップ選手に、集中セミナーを行なってきた。

’13年夏にはトリノ五輪銀メダリストのステファン・ランビエル(スイス)を招いた。初めて外国人コーチに習う子供たちは、合宿の初日は恥ずかしそうにしていたが、1週間後にはランビエルに投げキスを送りながら踊る子も。鈴木らトップ選手も、「音楽の細かい部分をまだ使い切っていなかったことを学んだ」と、得るものがあったという。
適切なタイミングでの海外留学をいかに指し示すか。
(Number Webより)

 

 
記事には、海外留学の適切なタイミングや海外の経験豊富な一流のコーチへの師事について、浅田や高橋、羽生といったトップ選手を例にあげている。
浅田の場合、06年から2シーズンの米国留学を経て、08年には世界女王に、タチアナ・タラソワコーチに師事した10年のバンクーバ五輪では銀メダルに輝いており、高橋は05年にニコライ・モロゾフに師事したことをきっかけに、高橋は自身の才能を引き出し開花させ、次々の日本の男子フィギュアの記録も塗り替えてきた。

 
まだ10代の羽生にしても、12年の世界選手権後にはカナダへ留学し、ブライアン・オーサーコーチに師事し、急成長をみせたが、同じコーチに師事していたフェルナンデスと常にライバルとして競い合う関係があることも、良い刺激となったのだろう、その2年後の今年の五輪で金メダルを獲得した。

 
これらのケースのように、海外のコーチや生活による刺激は、トップへ駆け上がる為の最後の引き金になり得るといわれている。

 
日本女子の次世代を担う村上や宮原をはじめ、強化選手に名前の挙がる選手たち、又は新たに急成長を見せる選手が出てくるかもしれない。

 
浅田の休養とトップ選手の引退によって席の空いた場所を埋める、新たな女子フィギュアの顔となる選手が現れるのか、是非注目したい。

 

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