スキージャンプ・高梨選手 なぜメダルに手が届かなかったのか?

金メダル有力候補といわれていたスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅選手。
オリンピックで4位に終わってしまいましたが、17歳で日本の期待を背負い、無敵と思われた高梨選手、精神的には大きなプレッシャーだったのかもしれませんね。

 

 

 

結果は以下の通りです。

 

1位 フォクト(ドイツ) 247.4
2位 イラシュコ(オーストリア) 246.2
3位 マテル(フランス) 245.2
4位 高梨 243.0

 

日本ジャンプ陣 栄光への挑戦!

ワールドカップでは全13戦のうち実に10度優勝。優勝できなかった3大会でも2位2回、3位1回と、すべて表彰台に上がっていて、実績は十分、高梨選手が期待されるのも無理はなく、ソチ入り後も海外メディアからも多くの取材を受けていました。

 

みている誰もがメダルを期待をし、高梨選手自身もこのオリンピックで結果を出せると思っていたのではないかと感じます。

 

その、誰もがその実力を認める高梨選手が、なぜオリンピックでは表彰台にすら上がることができなかったのか・・・

 

今日のTVなどで取り上げられていたのは、高梨選手のメンタルの部分とともに、風向きの有利不利を解消する「ウインドファクター」について。

 

ジャンプという競技は、外で行われることから気象条件が大きく影響するといわれており、向かい風なら飛距離が出やすくなりますが、追い風の場合は失速しやすくなるといわれています。

 

ジャンプを跳ぶときの運のようなものもありますが、その不公平さを改善すべく、ルール改正がなされ、風の強さに応じて、向かい風なら減点、追い風なら加点することになっています。
これを、ウインドファクターというのですね。

 

高梨選手のジャンプの時は2本とも追い風だったといわれ、風の影響で後ろからたたかれてしまい、飛距離を伸ばしきれず、テレマークを入れることが出来なかったといいます。

 

テレマークについては、もともと苦手といわれていた高梨選手、最近ではだいぶ良くなっていたものの、世界選手権ではそのテレマークの優劣の差で2位というときもあったように、飛距離にそれを凌ぐほど圧倒的な距離が出ているときは気になりませんが、僅差での戦いはこのテレマークが出来ないと、飛型点は下がってしまうことで順位にも影響するといいます。

 

そういった風の影響を受けてしまう競技である以上、仕方のないことなのかもしれませんが、実力があるだけに本当に悔しい結果に感じますね。

 

きょうのTVでは高梨選手への競技終了後のインタビューや発言などを交えて伝えていました。

 

高梨選手は「1本目も2本目も納得のいくジャンプが出来なかった。すごく残念です」そして「今まで支えてくれた皆様に感謝の気持ちを伝える為にこの場所にきたので、そこで良い結果を出せなかったのはすごく残念です」と話しました。

 

この、今まで支えてくれた皆様という言葉の中には、ここまで女子のジャンプ競技をひっぱってくれた先輩方への思いがあるのだといいます。

 

現在、高梨選手のコーチをしている山田コーチが1991年に女単独の大会で出場者は一人というところからこの女子のジャンプ競技が始まり、当時、女子の大会は一つだけ、それ以外は男子のトップと勝負するしかなかった時代を経て、2009年、その女子ジャンプを築いた山田コーチの引退の際になきながら花束を渡したのが当時12歳の高梨だったといいます。
そんなジャンプの道を切り開いた先輩方や、コーチの為にも頑張りたいという思いはあったのではないでしょうか。

 

競技を終えて改めてオリンピックの雰囲気について聞かれた高梨は「(五輪は)やはりどこかちがうところがあるなと感じました」と話しました。

 

山田コーチもソチに来てからの高梨選手について、「いつも以上に勝ちたいといっていた。」と話しており、その話題を取り上げていたTVでも自分の感じないところで力みや緊張してしまったのではないかと計り知れないプレッシャーがあったのではと話していました。

 

コーチは「メダルをとらせてあげたかった。それだけのトレーニングはずっと・・」といって涙で声を詰まらせていましたが、4年後にリベンジをしたいとも語りました。

 

とくダネ!のなかで司会の小倉さんは「どうしても日本ではオリンピックのメダルを重視するんですが、スキー競技の盛んなヨーロッパではワールドカップ総合優勝のほうがはるかに上に見られる。世界的な評価はNO1だとわかっているんだから堂々と帰ってきて欲しい」と話していましたが、本当にその通りですね。

 

まだ若く、実力のある選手ですので、今後も是非頑張ってもらいたいと思います。

  

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