スペインのバルセロナで行われているフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル第2日、男子ショートプログラムが行われた。
連覇を狙う羽生結弦は、ショートプログラムの演技で今季世界最高得点となる94.08点をマークしてトップに立った。
3季連続出場の町田樹が87.82点で2位につけ、初出場の無良崇人は78・35点で6位と出遅れた。
怪我の影響があったGPシリーズの大会で、GPファイナル進出の最後の6人目として選出された羽生は、NHK杯終了後、オーサー氏のいるカナダには戻らず、コーチが立てた詳細な練習スケジュール通り、日本で練習をこなして現地入りした今大会。
「練習で追い込んできたので(故障明けだったNHK杯とは)違う。
チャレンジャーとして自分ができることをしたい」と話した。
言葉通り、練習でもほとんどミスなくジャンプなどを決めており、怪我からの復調が見られた。
とはいっても万全とはいえない今大会、GP第6戦のNHK杯と同様に、SP、フリーとも4回転は演技後半に組み込まない構成で臨んだ。
今シーズン、まだ試合で成功がない4回転トウループを冒頭で綺麗に着氷すると、続く3アクセルも、カウンターという(ターンの1つで、初めのカーブと反対方向に回転し、ターン後は初めと反対のカーブに乗る)という動作から入り、3アクセル後に、両足のトウを外側に大きく開いて横に滑るイーグルへとつなげる難しい流れを成功させ、加点のもらえるジャンプを見せた。
最後の3回転の連続ジャンプのセカンドジャンプ後に転倒で減点があったものの、全体の1位でショートを終え、復活に向けて好スタートを切った。
朝、絶望的なコンディションだったという町田も2位につけた。
冒頭の4回転-3回転のセカンドジャンプでステップアウトするも、大きなミスなく演技をまとめた。
GPファイナル初出場の無良は、今季順調だった得意のジャンプに乱れが出てしまい、6位と出遅れた。
地元スペイン開催のフィギュアで観客からの完成が一際高かったフェルナンデスは得意のジャンプにミスが出て5位スタートとなっている。
1位の羽生から無良までの点差は15点ほどだが、大きな得点が見込めるフリーの演技次第では、誰もが表彰台も狙える位置にいる。
明日の演技に注目したい。
ショートの結果は以下のとおり
1位 羽生結弦(今季世界最高)
2位 町田樹
3位 マキシム・コフトゥン
4位 セルゲイ・ボロノフ
5位 ハビエル・フェルナンデス
6位 無良崇人
又、ジュニアのGPファイナルは今日フリーの演技が行われ、男子は宇野昌磨(16=中京大中京高)がフリーで163.06点をマークしてショートプログラム(SP)3位から逆転し、合計238.27点で優勝した。
日本男子選手の優勝は2009年の羽生結弦以来5年ぶりで、史上3人目となる。
宇野はフリー、合計ともにジュニアの世界歴代最高得点を更新する快挙を達成した。
SP1位の山本草太(14=邦和スポーツランド)は合計213.12点で2位に入り、3位は207.14点のアレクサンドル・ペトロフ(15=ロシア)だった。
宇野のコメント 「優勝もだけど、自分でも感動できる演技ができたことがうれしかった。強気でいけた。」
山本のコメント 「結果はうれしいけど、内容は悔しい。3回転半ジャンプを失敗しても最後まで諦めない練習をしてきた。冷静にできた。」
ジュニアからも力のある選手が育ってきているようだ。