高橋大輔 急な決断! 突然の引退発表!

日本フィギュア界を牽引してきた高橋大輔選手が現役引退を発表した。

 

 

公益財団法人両備てい園記念財団によるスポーツ振興奨励大賞を受賞した席で、「僕自身、引退することを決断しました。次の目標に向かって進みたい。急な決断でしたが、悩んでいても気持ちのなかにモヤモヤが残っていた。次に進むということで線を引くということにしました。ただ、目標は定まっていない。悩んで決めたい」と述べた。

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高橋は、世界ジュニア選手権や世界選手権、グランプリ・ファイナルでの優勝、五輪でのメダル獲得はいずれも日本の男子で初の快挙だった。

 

選手生活も決して順風満帆ではなかった。

 

2007年に世界選手権で日本人初の銀メダルを獲得し、選手として波に乗っていた時期、2008年10月、練習中に前十字靱帯断裂及び半月板損傷という大ケガに見舞われた。

 

ひと昔前ならば、選手生命を絶たれるほどの大ケガで手術をするか否かの二者択一の中、その日の状態を気遣いながらの練習ではバンクーバーに向かえないと、陣営は手術を選んだ。

 

その後、高橋は手術とつらいリハビリを経て、バンクーバー五輪へ出場し、銅メダルへとたどり着いた。

 

集大成と思われたソチ五輪前の2013年11月に右膝の痛みが再発し、たまった水を何度も抜かざるを得なかった。

 

全日本選手権では怪我をおしての満身創痍の演技で、ソチ五輪代表に選ばれた。

 

ソチ五輪では、勝負の鍵を握った4回転ジャンプが決まらずに6位。

 

多くの選手が1試合で4回転を複数回成功する時代になり、3度目の五輪で「自分の限界を目の当たりにした」と漏らしていた。

 

集大成との覚悟でソチ五輪に挑んだ後「体より気持ちがきつい。気持ちの部分で戦っていけない」と語った。

 

世界フィギュア代表にも選ばれたが、右脛骨(けいこつ)関節軟骨損傷による慢性膝関節炎で安静加療が必要となり、欠場している。

 

この欠場後、シーズンは終了、現役引退か続行かはこの時点では決めておらず、ゆっくり時間を持ったときに考えていきたいと話していた。

 

高橋は今日の会見で引退の理由について「次に進む目標がなかなか決まらないなか、シニアのシーズンが始まる前にすっきりしたいと思った。オリンピックまでの4年間を経験し、次のオリンピックまでのモチベーションを考えると、『今のままでは無理だ』というのも理由だと思う」と話した。

 

そして、現役時代のいちばんの思い出についてという問いには「すべてが思い出で、1つを選ぶことができない。ただ、バンクーバーオリンピックの表彰台から見た景色は今でも思い出せます」と振り返った。

 

そのうえで、今後については、「スケートから2、3歩引いて、自分がスケートをどれくらい好きなのかを確かめながら、これと決めずに行きたい」と述べている。

 

フィギュアスケーターとして、とても魅力的な選手だった。

 

高橋が新たな歴史を刻んでいった日本男子フィギュアは、女子の陰に隠れていた男子の人気を押し上げた。

 

そして、その背中を見ながら、育つことが出来た選手たちにとっても大きな存在だったに違いない。

 

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